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恐怖のメロディ(クリント・イーストウッド監督・主演)「Play Misty for Me」 [イーストウッドを見逃すな!]

☆恐怖のメロディ「Play Misty for Me」
(1971年製作、クリント・イーストウッド監督、脚本:ディーン・リズナー、ジョー・ヘイムズ、撮影:ブルース・サーティス、音楽:ディ―・バートン、原作:ジョー・ヘイムズ
クリント・イーストウッド、ジェシカ・ウォルター、ドナ・ミルズ、ジョン・ラーチ、ジャック・ギンク、ドン・シーゲル)
      
クリント・イーストウッドの初監督作品で、イーストウッドの師でもあるドン・シーゲルがバーテンダーとして出演もし、製作期間中も見守っていたとのこと。

イーストウッドの初めての作品が、サイコ・サスペンスとは、意表を突かれた感じもするが、マーク・エリオットの「クリント・イーストウッド」という本を読む限りは、製作上の問題で、イーストウッドの立ち上げていたマルパソ・カンパニーが、全責任を負っての制作だけに、小品でお金のかからない面白い作品が条件だったようだ、それと初監督作品なだけに、当然のことながらコストを意識し、ロケ撮影を多くすることで制作資金の負担を軽くし、自宅から近いカーメルを撮影場所に選び、慎重になったということもあったようだ。

興行的には成功し、95万ドルの制作資金をはるかに超えるアメリカ・カナダだけで1千万ドル以上の収入を上げている。

ラジオのディスク・ジョッキーが、リスナーからのリクエストに応えているうち、行き付けのバーで知り合い、一夜の関係を持ってしまうことから、ストーカーのように付きまとわれ、お手伝いさんは切り付けられ、恋人を保護する刑事まで殺される。執拗な女性ストーカー役イブリンは、ジェシカ・ウォルター(当時30歳)が演じていて、なかなかの演技を見せ、怖がらせる。

サイコ・サスペンスなのだが、まだストーカーという言葉すら生まれていない時代に、正にストーカーを描いていた。
イブリンがいつもリクエストするのが、「Misty」で、1954年にジャズ・ピアニスト、エロール・ガーナ―が作曲したバラードである。名曲を題材にするあたりは、ジャズが大好きで自ら映画音楽もこなし、ジャズの巨匠チャーリー・パーカーを描いた「バード:Bird」の映画化では、製作・監督も務めているクリントらしい一面である。
映画の中には、もう一曲「愛は面影の中に」というロバータ・グラックの歌が流れる。

結末は、映画を観てのお楽しみだが、カーメルの海岸をロケ地としたブルース・サーティスの撮影が美しい。
イーストウッドは、この作品で監督をしたことで、監督業が俳優業よりはるかに大変だということが身に染みたようで、彼の映画作りの特色である、テイク数をなるべく少なくするという考え方になっていったようである。
初監督作品としては、十分合格点ではないだろうか。

“毎日が映画日和” 75点

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