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ペイル・ライダー「Pale Raider」 [イーストウッドを見逃すな!]

☆ペイルライダー「Pale Raider」
(1985年製作、クリント・イーストウッド監督、脚本:マイケル・バトラー、アニス・シュラック、音楽:レニー・ニーハウス、撮影:ブルース・サーティス、
クリント・イーストウッド、マイケル・モリアーティ、キャリー・スノッドグレス、シドニー・ペニー、クリストファー・ペン、ジョン・ラッセル、リチャード・ダイサート)
    
痛快西部劇の1本!!
映画としては、名作「シェーン:Shane」を彷彿とさせる構成で、正体の良くわからないガンマンという設定は、「荒野の用心棒:A Fisful of Dollars」以来のイーストウッドのはまり役である。

山の稜線の美しいカリフォルニア、雪の積もる寒さ厳しい季節、金の発掘で、暮らす人々が、カーボン峡谷で生活していた。
金の大規模採掘で財を成し町を牛耳るフラッドは、カーボン峡谷に狙いを定め、嫌がらせを始める。

冒頭で、フラッドの部下たちが疾走する馬に跨り、カーボン峡谷を襲う場面は、躍動感あふれ、遠望からの俯瞰シーン等迫力ある名シーンが続き、ブルース・サーティスの美しい撮影もさることながら疾走する馬も美しい。

主人公の牧師:プリーチャー(クリント・イーストウッド)が、たどり着いた町で、フラッドの部下に襲われるハル(マイケル・モリアーティ)を助けたことから、フラッド一味と敵対することとなるという設定。

リチャード・キールが、危ない場面で、味方となってくれ画面を和ませ、凄腕の保安官ストックバーン(ジョン・ラッセル)とその助手達との戦いをクライマックスにした脚本は西部劇の常道を外れることなく、イーストウッド流にアレンジされ、非常に解りやすく、無駄がそぎ落とされ、観やすい作品となっている。
クリント・イーストウッドの役作りは、「荒野のストレンジャー:High Plains Drifter」の主人公とほぼ同じような設定である。

観客からすれば、日本でいえば、三船敏郎の「用心棒」を観たいのと一緒で、イーストウッドが、悪漢を銃で蹴散らす「名無し男」を観たいのである。
イーストウッドの主催するマルパソカンパニーの事情や、配給元のワーナーブラザースの事情など、さまざまな背景の中で、西部劇待望論に、イーストウッドが応えた作品というべきだろう。

イーウトウッドは、この後、1992年「許されざる者:Unforgiven」を最後に西部劇は監督も出演もしていない。日本で時代劇が廃れたように、アメリカでも西部劇では、観客動員ができない時代となったためでもある。
西部劇の主演で、観客が呼べた最後のスター、クリント・イーストウッドの痛快娯楽巨編で、楽しかった。

“毎日が映画日和” 80点


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