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七つの顔(片岡千恵蔵) [日本映画 名作クラシック]

☆七つの顔
(1946(昭和21)年製作、松田定次監督、原作・脚本:比佐芳武、
撮影:石本秀雄 音楽:西悟郎
片岡千恵蔵、月形龍之介、轟夕起子、喜多川千鶴、服部富子、原健作、上田吉二郎、香川良介、丸山英子)
   
名作日本映画の1本!!
荒唐無稽な物語として、評論家諸氏からは酷評だった「多羅尾伴内」シリーズの記念すべき第1作である。

戦後GHQの指示により、時代劇は製作できなかったため、庶民の娯楽作品として、探偵ものが製作された時代である。
評論家諸氏の酷評とは裏腹に、映画は大ヒットし戦後の荒んだ庶民の心をスカッと楽しくさせ人気を呼んだものと思われる。大映で4本制作され、大映の経営陣の姿勢に怒った千恵蔵が、大映を退社し最終的には東映でさらにパワーアップした「多羅尾伴内」シリーズを7作制作し、1960年の「七つの顔の男だぜ」を最後にシリーズは終了した。

東洋劇場のショーに出演中の歌手清川みどり(轟夕起子)が、放火の騒ぎの合間に仮面を被った男女2人に誘拐され、支援者から送られた100万円のダイヤのネックレスが盗まれる。(劇場のシーンは、本物の劇場を使い見事な演出、宝塚出身の歌声も中々で、痩せている轟夕起子を始めてみる)

奇術師として劇場出演している藤村泰造(片岡千恵蔵)は、ダイヤのネックレスを見てきっと災いを招くと予言する。
犯行の舞台となった元政治家の館野々村家の屋敷と二人の兄妹、運転手の鈴木の所在、妹の指に嵌められた指環、知事選への出馬等が、謎解きのポイントとなる。
解放された歌手みどりの証言で、野々宮信吾(月形龍之介)なる人物が逮捕され、妹は私立探偵多羅尾伴内が匿ってしまう。
多羅尾伴内は、2人の兄妹は無実と確信し、裏に潜む陰謀を暴いていく。

さまざまな伏線が散りばめられ、盗難事件の犯人にすることでメリットを享受できる政治家達が共謀し、野々村失脚を画策したことが発端で、影で陰謀を操るのは、子爵(原健作)で、政治家達を操り権力を握ろうとする悪党である。
ここからは、得意の七色変化で真相を暴き、事件を解決するという物語。

決め台詞は、「ある時は多羅尾伴内、ある時は奇術師、ある時は老巡査、ある時は占い師、ある時は片目の運転手、しかしてその実体は藤村大造である」
昭和20年代初期に物心ついた人達には、一度は聞いたことのあるセリフだろう。上映時間もちょうど良く、“正義と真実の人藤村大造“シリーズは、解りやすい大衆娯楽作品で、難しく考えることのないのが良い、なかなか楽しめる作品となっている。

”毎日が映画日和“ 80点


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