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マンハッタン無宿「Coogan's Bluff」 [イーストウッドを見逃すな!]

☆マンハッタン無宿「Coogan’s Bluff」
(1968年制作、ドン・シーゲル監督、脚本:ハーマン・ミラー、ディーン・リーズナー、ハワード・ロッドマン、音楽:ラロ・シフリン、撮影:バド・ザッカリー
クリント。イーストウッド、リー・J・コップ、スーザン・クラーク、ドン・ストラウド、シーモア・カッセル、トム・タリー)

遅咲きの大スター、クリント・イーストウッドのアメリカ主演第2作で、アリゾナの保安官補が、ニューヨークで活躍するポリスアクション、イーストウッドが多くを学んだ映画における師匠とも言える監督ドン・シーゲルと初めてコンビを組んだ、記念すべき作品でもある。

出演時38歳(47年前)、テレビドラマ「ローハイド」やイタリア製西部劇マカロニ・ウェスタン3部作のヒットで、経験をある程度積んでからの出演だけに、落ち着いていて変に若造っぽくないところが、逆に良かったのではないだろうか。

アリゾナで保安官補をしているクーガン(クリント・イーストウッド)は、一匹狼的なところがあり、上司からは目を付けられていて、凶悪犯リンガーマンの引き取りにニューヨークへ、リンガーマンを連れて空港から飛び立つ寸前リンガーマンの仲間に襲われ逃げられてしまう、孤立無援のクーガンが、苦労しながら再びリンガーマンを逮捕するまでが描かれる。

ニューヨークでは、田舎者扱いで書類を出せ、規則を守れとうるさいことを言われるが、面倒くさいとばかり半ば強引な手法で、物事の解決を図っていくという役柄、シーゲル監督とイーストウッドの大ヒット作「ダーティー・ハリー」の主人公ハリー・キャラハンのキャラクターの原型を、この作品に見出すことができる。

作品のスケールは小粒だが、脚本が良く出来ていてストーリーが面白いし、マリファナを吸いあう若者やサイケ調の音楽や絵やファッションを画面に登場させることで、制作当時の世相も垣間見ることができる。
大都会ニューヨークで、アリゾナから来た異人種の男が、執念に燃えて犯人を捜し出すというアクション物で、面白い作品になっている。

ニューヨークの警部補マッケルロイを演ずるのは、名優リー・J・コップで手を焼かせるクーガンを自制しろと強要するものの、陰ながらフォローする人情肌の役柄、映画に渋みと重みを与えている。

相手役のスーザン・クラークは、映画やテレビで活躍、シーゲル監督の佳作「刑事マディガン:Madigan」やジョセフ・サージェントの傑作SF映画「地球爆破作戦」やロバート・レッドフォード主演「夕陽に向かって走れ」等で存在感を発揮した女優である。

クリント・イーストウッドの殴り方は特徴があるのだが、この作品では早くもその特徴が出ているし、バイクでのチェイス・シーンも中々見応えがある。
この作品の後、2作品「真昼の死闘:Two Mules for Sister Sara」「白い肌の異常な夜:The Beguiled」で、シーゲル監督とコンビを組み「ダーティー・ハリー」を発表する。イーストウッドを世界的なビッグスターにしたのは、紛れもなく「ダーティー・ハリー」で、ドン・シーゲルの代表作ともなっているが、その原型を彷彿とさせる作品として「マンハッタン無宿」は、記憶に残る作品であろう。

“毎日が映画日和” 80点



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