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ダラス・バイヤーズ・クラブ「Dallas Buyers Club」 [人生ドラマの傑作!!]

☆ダラス・バイヤーズ・クラブ「Dallas Buyers Club」
(2013年製作、ジャン=マルク・ヴァレ監督、脚本:クレイグ・ボーテン、メリッサ・ウォラック、撮影:イヴ・ベランジュ、音楽:ボブ・ボーウェン
マシュー・マコノヒー、ジャレッド・トット、ジェニファー・ガーナ―、グリフィン・ダン、デニス・オヘア、スティーブ・ザーン)
    
時代は、1985年、新聞では、ハリウッドスター、ロックハドソンがエイズだったと騒いでいて、エイズやホモという言葉自体をあまり聞くことのなかった時代のドラマである。

ロデオカウボーイ、ロン(マシュー・マコノヒー)は女性と遊び、酒を飲む放蕩生活で、トレーラーでその日暮らしだったが、突如倒れ、病院で検査の結果HIV陽生の診断が下され、余命30日と言われてしまう。
周りの同僚からは差別され、嫌がらせも受ける。

そこからこの映画が、俄然面白くなる。ホモ嫌いのロンのベッドの隣にはレイヨン(ジャレッド・レト)がいた。
人違いで、俺は違うと言いながらも、猛烈にエイズを勉強し、AZTという治療薬のあること知り、不正に入手し飲み続けるが、満足しないロンは、メキシコへ行き、タッカーという医師と出会い、AZTは効果なく逆に死ぬのを早める薬だと知ることとなる。

会員制の薬販売の会社を立ち上げ、エイズ患者を救おうと病院で一緒だったレイヨンも仲間に入れ順調だったが、アメリカ食品医薬品局(FDA)の取り締まりを受けるようになる。製薬会社と癒着する病院、FDAという図式は、アメリカだけならず、恐らく世界中で同じような構図なのだろう。許可しない薬は服用できないし、臨床実験の結果問題ないとの結果が必用との名目である。
裁判で負け続けるが、同じ病気の仲間からはその勇気を讃えられ、7年後亡くなる。
これは実話の映画化でもある。

主演のマシュー・マコノヒー、助演のジャレッド・トットが共に、アカデミー賞主演男優賞、助演男優賞に輝く極限の演技をみせる。マシュー・マコノヒーは、全くの別人に変化していて、納得の演技と受賞である。
政府機関との戦いに果敢に挑んでいくその勇気も、素晴らしい。

レイヨンが、最後恋人に連れられて病院に行くとき、「死にたくない」と泣いて訴えるシーンがあるが、とても切なく、世界中の治療薬を許可すればよいのにと素直に思うのだが、やはり解決しなくてはいけない問題も多いのだろう。そのためにもFTA協定が早く必用なのだろうか。
医療の在り方、臨床実験、薬の開発の問題など、多くの課題を描いた問題作として
非情に見応えのある作品だった。

“毎日が映画日和” 85点

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