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サイコ「Psycho」 [ヒッチコックタッチをご覧あれ!]

☆サイコ「Psycho」
(1960年製作、アルフレッド・ヒッチコック監督、脚本:ジョセフ・ステファノ、撮影:ジョン・L・ラッセル、音楽:バーナード・ハーマン、原作:ロバート・ブロック
アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー、ヴェラ・マイルズ、ジョン・ギャバン、マーティン・バルサム、ジョン・マッキンタイア、サイモン・オークランド、パトリシア・ヒッチコック、モート・ミルズ)
    
サスペンス・スリラーの傑作で、多重人格の精神異常者を表す“サイコ”という言葉は、この映画の大ヒットによって世界的に知れ渡ることになる。
余りにも有名な作品で、ヒッチコック監督の最高傑作と称される作品である。

原作は、ロバート・ブロックの同名小説で、永遠の青年俳優と謳われた、アンソニー・パーキンスが、主人公の多重人格者ベイツを演じる。
主人公の人物像は、過度のマザーコンプレックスで、一見普通の好青年に見えるベイツモーテルの経営者という設定、不動産会社の社員マリオン(ジャネット・リー)が、恋人サム(ジョン・ギャヴィン)の住む街へ行こうと会社で預かった4万ドルを持ち、ベイツのモーテルに宿泊することから、マリオンを殺害することになる。

殺害の理由は、マリオンに魅かれたベイツに対し、母親が反対するからで、母親は実は10年前に殺されており、ベイツの中に潜む母親の人格が、彼を否定するというストーリー。
また、マリオンの行方を追う私立探偵アーボガスト(マーティン・バルサム)も、捜索の途中ベイツの餌食となり殺される。

マリオンの妹とマリオンの恋人サムが、謎を解明しようとモーテルへ出かけ、ベイツの秘密を知ることになるという、超一級のサスペンス・スリラーである。

監督のアルフレッド・ヒッチコックは、1925年英国で初監督作品を手懸け、1939年「岩窟の野獣:Jamaica inn」まで英国で作品を発表し続け、多くの名作を発表している。

1940年「レベッカ:Rebecca」から1976年「ファミリー・プロット:Family Plot」まで、30作品はアメリカ資本で制作され名作・傑作揃い、“サスペンスの神様”と呼ばれる巨匠となった。
(1944年2作品はプロパガンダ作品は除外)
英国時代とアメリカ時代と分けて評論されることが多いが、ヒッチコックの語りのうまさとサスペンスの盛り上げ方は、英国時代もアメリカ時代も変わらず、観客を魅了する。

この作品は、観客を驚かせることの大好きなヒッチコック監督の満面の笑みが想像できるような会心の作品で、ジャネット・リーが、車で逃走するシーンで、サングラスの警察官の不気味な怖さは、うしろめたいというマリオンの深層心理を突いてくるし、観客にもその気持ちが伝わってくる名場面となっている。

ベイツのモーテルの事務所で、鳥の剥製と出会うシーンでは、映画の後半の展開を予測させる猟奇的な雰囲気を醸し出す演出となっている。
バーナード・ハーマンの音楽が、ショッキングさを演出し、特にシャワー室で、殺されるシーンは、ジャネット・リーの悲鳴、凄惨なシーン、映画史に残るシーンでもある。

アメリカでは、サスペンス作品は格下扱いで、またヒッチコックのハリウッド関係者との付き合いの悪さもあって、アカデミー賞監督賞に5度ノミネートされるが、受賞はしていない。
多くのファンに評価される監督だが、評論家や映画関係者には、あまり評価は高くなかったようで、変わり者というイメージで、観られていたようである。

映画関係者の評価はどうあれ、面白い作品を沢山残した監督で、その功績は揺るぎ無い。「バルカン超特急:The Lady Vanishes」「三十九夜:The 39 Steps」「レベッカ:Rebecca」「疑惑の影:Shadow of a Doubt」「汚名:Notorious」「パラダイン夫人の恋:The Paradine Case」「ダイヤルMを廻せ:Dial M for Murder」「裏窓:Rear Window」「泥棒成金:To Catch aThief」「めまい:Vertigo」「北北西に進路を取れ:Notyh by Northwest」「鳥:The Birds」「マーニー:Marnie」「フレンジ―:Frenzy」等々
映画ファンならずとも、その面白さに満足すること間違いなしの作品揃いである。

“毎日が映画日和” 100点(ヒッチコックに敬意を表し満点!!)


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