SSブログ

Uボート「Das Boot」 [骨太の男臭い映画が堪らない]

☆Uボート「Das Boot」
(1981年制作、ウォルフガング・ペーターゼン監督・脚本、音楽:クラウス・ドルディンガー、撮影:ヨスト・ヴァカーノ
ユルゲン・プルポノフ、ヘルベルト・グレーネマイヤー、オットー・サンダー
    
潜水艦の内部を縦横無尽に行き来するカメラ、臨場感あふれる演出、ドイツ出身のウォルフガング・ペーターゼン監督の傑作映画の登場である。

最初見たとき、息苦しくなるほどの緊張感が伝わり、とにかく力の入ったことを思い出す。
その緊張感は、今も変わらない。
第2次世界大戦時のドイツU-ボートに乗艦する乗組員たちの物語で、皮肉なラストが、印象に残る。
人間の極限状態を鋭く見つめた作品で、なおかつ一流のエンターテイメント作品としても楽しめることから、アメリカで公開された1982年には、アカデミー賞6部門でノミネートされている。(監督、撮影、視覚・音響効果、編集、音響、脚色)
実際に同乗して取材したロータル=ギュンター・ブーフハイムの原作をもとに、テレビドラマとして制作され、編集版を映画として公開したものである。

作品は、大西洋を往来する連合国護送船団の攻撃を任務とする、U-ボートに乗り込んだ報道担当ベルナ―少尉の眼を通して描かれる。
冷静沈着で、部下思いの艦長(ユルゲン・プロホノフ)や機関長、航海士などを中心に潜水艦内部の長期間に及ぶ任務の雰囲気が良く出ている映画となっている。

無精ひげ、脂っぽくべた付いた髪の毛、汗のにおいが伝わってくるようなどんよりとした空気、着た切りの服装など、過酷な任務であったことが良く解る作品となっている。
任務を終え帰還に着くと喜ぶのもつかの間、ジブラルタル海峡を通り、イタリアへ向かえとの指令が下る。
この映画のクライマックスは、ジブラルタル海峡が通過出来るかどうかの場面で、爆雷で狙われ、限界深度を超えて海のそこへ沈み、艦内のさまざまな場所が故障し、浸水するなどの恐怖と向き合う場面の緊張が、壮絶である。

必死の修理で何とか浮上、無事帰還を果たそうと港に入ってきたその時、敵攻撃機により襲撃され、撃沈されてしまう。
艦長は攻撃を受け、潜水艦が海へ沈むのを見て、息を引き取る。

潜水艦内部での乗員たちの生活等も、生き生きと描かれ、優れた記録映画を見ているかのような、素晴らしい構成力と演出力である。
ペーターゼン監督は、この作品でハリウッドへ招聘され「ネバー・エンディング・ストーリー」「ザ・シークレット・サービス」「アウトブレイク」「トロイ」等世界的なヒット作を手懸けるヒットメーカーとなっている。
主演のユルゲン・プルポノフも、主に悪役が多いが、多くの作品に出演する売れっ子俳優となった。
潜水艦映画には、傑作が多いがこの作品は、その中でも語り継がれる代表作の1本であろう。

“毎日が映画日和” 100点(重苦しくて疲れるが傑作である。満点)


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。