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子連れ狼(第1作目)-子を貸し腕貸しつかまつるー [時代劇終焉時代の傑作]

☆子連れ狼(第1作目)―子を貸し腕貸しつかまつる――
(1971年制作、三隅研次監督、原作・脚本:小池一雄・小島剛、音楽:櫻井英顕、撮影:牧浦地志
若山富三郎、伊藤雄之助、渡辺文雄、露口茂、内藤武敏、加藤嘉、内田朝雄、伊達三郎、真山知子、藤田佳子、富岡昌宏)
 
ヒットシリーズの第1作である。
時代劇斜陽時代、「座頭市」で頑張っていた勝新太郎(若山富三郎の弟)が、勝プロダクションとして制作し、拝一刀役を熱望した若山富三郎が、原作者小池一雄を訪ね自ら売り込んだという、念願の役を演じている。(当初、主演は渡哲也で製作は進んだが、 病気のため頓挫)

第1作では、柳生烈堂の策略により、公儀介錯人の座を追われるまでを前半で描き、後半は刺客としての拝一刀が、五百両で雇われ、杉戸監物一味の野望を砕く顛末が描かれている。後半の舞台は壬生藩の湯治場という設定で、旅の女郎役で真山知子が体当たりの演技を見せている。一癖二癖ある俳優達が、メイクも派手に熱演を見せている。

血しぶきは当たり前で、首が、腕が、足が飛び劇画タッチの画面構成で描かれる痛快娯楽時代劇となっている。若山富三郎は、東映で前年まで「賞金稼ぎ」シリーズ、「極道」シリーズなどで活躍しており、勝プロダクション制作とはいえ、配給は東宝となると何かと難しい問題があったとこと。

また、テレビの「子連れ狼」シリーズは、萬屋錦之介が拝一刀を演ずることになり、怒った若山富三郎は、勝新太郎と険悪なムードになったとのこと、勝プロダクションとして「啞侍 鬼一法眼」の主演をオファーすることで、和解したというエピソードが残っている。それぐらい、若山富三郎の役に賭ける意気込みが凄かったということだろう。

三隅研次監督の手慣れた演出、時代劇へのスタッフの思い入れなど画面から感じられるような作品でもある。劇画タッチがあまり好きではないが、当時の要請でもあったのだろう。
殺陣の上手さは、映画界でも1~2を争うと言われるほどの若山富三郎の立ち廻りが見物で、薙刀風の立ち廻りでも見事な太刀さばきを見せている。クライマックスは、川の中での柳生備前守(渡辺文雄)との一騎打ちで、水鴎流残波刀の居合術を見せるシーンだろう。

間違いなく、拝一刀役は、若山富三郎の方が、萬屋錦之介より合っている。
貫禄と胴太貫(太い刀)に似合う体型、太刀さばきの迫力等、思いれも含め若山富三郎の代表作と言ってもいいのではないか。
このシリーズの面白さは、この後のシリーズ鑑賞記で述べたい。

“毎日が映画日和”70点

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