子連れ狼(5作目)―冥府魔道― [時代劇終焉時代の傑作]
☆子連れ狼―冥府魔道
(1973年制作、三隅研次監督、脚本:小池一雄、中村努、音楽:桜井英顕
撮影:森田富士郎
若山富三郎、富川昌宏、安田道代、佐藤友美、大滝秀治、須賀不二男、加藤嘉、岡田英次、戸浦六宏、志賀勝、天津敏、山城新吾、石橋蓮司、大木実)
シリーズ第5弾。
筑前黒田藩のお家事情を公儀隠密黒鍬衆の総統領で、菩提寺の住職慈恵和上(大滝秀治)に知られた黒田藩は、慈恵和上の暗殺と江戸へ出向く和上が持つ密書の奪還を拝一刀に依頼するのだった。
黒田藩の秘密とは、藩主黒田斉隆(加藤嘉)の妾に産ませた子供が女の子であるのを隠し、世継ぎの男子として育ていたことで、その秘密を知った慈恵和上を殺害しようというものだった。
拝一刀の腕を試す名目で、黒田藩は刺客を次々と繰り出すが、ことごとく一刀の前に敗れていく前半から、若山富三郎の殺陣が満載で、わくわくする。
黒田藩の忍び不知火(安田道代)から、別の刺客の依頼を受けた一刀は、大川の渡し場で、慈恵和上を殺害する。
前半に、一刀と大五郎親子の冥府魔道に生きる絆の固さを示す場面が挿入されている。街の中でスリ(佐藤友美)が追われ、大五郎に財布を預け、“誰にも言わないで、約束だよ”と言ったことから、岡っ引きに捉えらえた大五郎は、叩きの刑にあっても、決してく口を割らず、約束を守るというエピソードがある。
「子連れ狼」シリーズの名場面として語り継がれるだろう出来映えである。
素敵な女っぽい女優佐藤友美が、粋なスリを演じ楽しませてくれる。
そして、不知火からの依頼を果たそうと黒札藩へ乗りこみ、城主共々妾の子を殺害し、正妻の子供松丸君を世継ぎとした不知火は、自ら命を絶つ。というストーリーで、水中での暗殺シーン、砂丘での大立ち廻りや、城内での決戦など、見どころ満載である。
首が飛び、身体が飛ぶいつもの惨殺シーンは、相変わらずで、みはや漫画チックになっている。一刀の乳母車の秘密兵器もパワーアップしており、機関銃どころか、ガトリング銃と化している。
柳生烈堂の企みは、全て失敗しするものの、烈堂(大木実)との決戦はお預けとなる。勝プロダクションの経営もかなり厳しくなり、経緯はわからないが、製作は勝新太郎から、若山富三郎へ変更されている。
“毎日が映画日和” 75点
(1973年制作、三隅研次監督、脚本:小池一雄、中村努、音楽:桜井英顕
撮影:森田富士郎
若山富三郎、富川昌宏、安田道代、佐藤友美、大滝秀治、須賀不二男、加藤嘉、岡田英次、戸浦六宏、志賀勝、天津敏、山城新吾、石橋蓮司、大木実)
シリーズ第5弾。
筑前黒田藩のお家事情を公儀隠密黒鍬衆の総統領で、菩提寺の住職慈恵和上(大滝秀治)に知られた黒田藩は、慈恵和上の暗殺と江戸へ出向く和上が持つ密書の奪還を拝一刀に依頼するのだった。
黒田藩の秘密とは、藩主黒田斉隆(加藤嘉)の妾に産ませた子供が女の子であるのを隠し、世継ぎの男子として育ていたことで、その秘密を知った慈恵和上を殺害しようというものだった。
拝一刀の腕を試す名目で、黒田藩は刺客を次々と繰り出すが、ことごとく一刀の前に敗れていく前半から、若山富三郎の殺陣が満載で、わくわくする。
黒田藩の忍び不知火(安田道代)から、別の刺客の依頼を受けた一刀は、大川の渡し場で、慈恵和上を殺害する。
前半に、一刀と大五郎親子の冥府魔道に生きる絆の固さを示す場面が挿入されている。街の中でスリ(佐藤友美)が追われ、大五郎に財布を預け、“誰にも言わないで、約束だよ”と言ったことから、岡っ引きに捉えらえた大五郎は、叩きの刑にあっても、決してく口を割らず、約束を守るというエピソードがある。
「子連れ狼」シリーズの名場面として語り継がれるだろう出来映えである。
素敵な女っぽい女優佐藤友美が、粋なスリを演じ楽しませてくれる。
そして、不知火からの依頼を果たそうと黒札藩へ乗りこみ、城主共々妾の子を殺害し、正妻の子供松丸君を世継ぎとした不知火は、自ら命を絶つ。というストーリーで、水中での暗殺シーン、砂丘での大立ち廻りや、城内での決戦など、見どころ満載である。
首が飛び、身体が飛ぶいつもの惨殺シーンは、相変わらずで、みはや漫画チックになっている。一刀の乳母車の秘密兵器もパワーアップしており、機関銃どころか、ガトリング銃と化している。
柳生烈堂の企みは、全て失敗しするものの、烈堂(大木実)との決戦はお預けとなる。勝プロダクションの経営もかなり厳しくなり、経緯はわからないが、製作は勝新太郎から、若山富三郎へ変更されている。
“毎日が映画日和” 75点
タグ:親子の情愛が泣かせる
コメント 0