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ダーティー・ファイター「Every Which Way But Loose」 [イーストウッドを見逃すな!]

☆ダーティー・ファイター「Every Which Way But Loose」
(1978年制作、ジェームズ・ファーゴ監督、脚本:ジェレミー・ジョー・クロンズバーグ、音楽:スナッフ・ギャレット、撮影:レックスフォード・メッツ
クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、ジェフリー・ルイス、ルース・ゴードン、ビヴァリ―・ダンジェロ、クライド)
   
さまざまなジャンルにチャレンジしていた頃の、クリント・イーストウッドのアクション・コメディーで、ヒットした作品である。
常にヒット作を生み出すことが義務付けられるスター故の試行錯誤の時期であったかも知れない。
出演時48歳と、男としても油の乗り切った頃の作品で、引き締まった身体が逞しい。

ビールとカントリー・ウェスタンの好きなトラック運転手のファイロ(クリント・イーストウッド)が、行き付けの店で、歌手のリン(ソンドラ・ロック)に一目ぼれするが、プロ歌手を目指すということで、突然目の前から消えてしまったことから、彼女を探す為、賭けファイト(殴り合い)で資金を稼ぎながら旅するという作品で、相棒のオーヴィル(ジェフリー・ルイス)やオランウータンのクライドが、ゆる~いアクセントとなっている痛快な作品である。

暴走族や警察官等が絡み、ドタバタコメディが展開されるが、ストリート・ファイトの壮絶さも楽しめる作品で続編が1980年に製作されている。
クリントのコメディアクションは、「ピンク・キャデラック;Pink Cadillac;89」が不評で以後コメディは製作されていない。

イーストウッド作品の常連ジェフリー・ルイスは、イーストウッド作品に7本出演している脇役俳優で、悪役でも何でもこなす名バイブレーヤー、この作品でも重要な相棒役を演じ、楽しそうである。
この映画のヒットの要因ともなったと思われるオランウータンのクライドは、可愛い仕草が、女性客を惹きつけたと思われるが、彼が登場すると画面が和やかになり、自然と笑みがこぼれること間違いない。

結局は、男を踏み台にして渡り歩くリンに振られるという落ちで、意外な肩透かしの結末も面白いし、最後の賭けファイトでわざと負ける当たりの演出も心憎い。
監督は、「ダーティー・ハリー3;The Enforcer;76」のジェームズ・ファーゴで、監督作は9本あるが、日本公開作品はクリント主演の2作品だけである。

クリント・イーストウッド主演の映画は、難しい文藝作品とかシリアスなテーマを主題とした作品とかではなく、純粋にエンターテイメント作品が圧倒的に多い。そういう意味でも、映画は娯楽で、多くの観客に楽しんで貰うものという意識が高いのだろう。
2000年代「ミスティック・リバー;Mystic River;03」以降の監督作品に観られるような、不条理な人生を描いたどこか暗い作品とは、大きく異なっている。

娯楽映画の申し子、“クリント・イーストウッドを見逃すな”ということで、主演・監督作品等関わった作品57本中24本をブログ開始以後見てきたが、実に多彩な才能を持っている映画人であることが良くわかる。アカデミー賞主演男優賞は、縁が無く無理だろうが十分匹敵する活躍をしている。ジョン・ウェイン亡き後のアメリカを背負った本物のスターである。
(アカデミー賞監督賞を2度受賞は凄いし、彼の作品で個人的に受賞している俳優も数多い。ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、ショーン・ペン、ロビン・ウィリアムス等)

まだまだ再見するべき映画の多い俳優・監督で、これからもクリント・イーストウッドを見逃せない。

―イーストウッドを見逃すなー24

“毎日が映画日和” 70点



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