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鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん;マキノ正博監督) [日本映画 名作クラシック]

☆鴛鴦歌合戦(おしどり歌合戦)
(1939年制作、マキノ正博監督、脚本:江戸川浩二、オペレッタ構成・作詞:島田肇他、音楽:大久保徳次郎、撮影:宮川一夫
片岡千恵蔵、志村喬、市川春代、香川良介、服部富子、深水藤子、ディック・ミネ)
   
江戸時代を舞台にした日本版ミュージカルで、77年前の作品である。
片岡知恵蔵(当時36歳)、志村喬(当時34歳)の(後年の2人を知る人間としては、とんでもない作品)映画界の大スターが、ジャズに併せて歌うという楽しい作品となっている。

共演者は、ディック・ミネ、服部富子、市川春代、深水藤子で、ディック・ミネは歌手が本業だが、出演者の歌声が軽やかで聞きやすい。
脚本は、マキノ監督が江戸川浩二名で執筆し、31歳という若さにも関わらず、製作時既に100本以上の作品を監督しており、生まれながらにしての才能が花開いた戦前・戦後を代表する大監督である。

時代劇で歌い・踊るのは東映で継承されたが、この作品は戦前の作品で、出来が良いし、片岡千恵蔵、志村喬の歌声にはびっくりである。
宮使いを嫌って気楽な浪人暮らしの浅井禮三郎(片岡千恵蔵)を巡っての恋愛騒動が物語の土台になっているのだが、3人の女性にモテまくるという役で明るい物語となっている。
恋愛騒動に、骨董品の偽物騒動が絡んだ作品で、にこにこ笑いながら楽しむ作品となっている。

主演の片岡千恵蔵が、病気で出番が減り、その分志村喬とディック・ミネの出番が増えたとのことだが、帰ってその方が作品全体を、明るくしたのではないだろうか。
重厚な演技派というイメージの志村喬にこんな作品があったとは、驚きである。

カメラ(撮影)は、若かりし頃の宮川一夫で、「銀残し」という撮影技法を編み出し、世界中の映画で使用されるようになったという、日本が世界に誇る名カメラマンである。数々の名作を担当しており、巨匠と呼ばれる監督達の信頼が高かったカメラマンである。

こんな洒落た作品を、80年前に製作していたということに驚くが、戦前の日本の映画のレベルの高さに、ビックリ・ポンである。

“毎日が映画日和” 100点(満点以外にない驚きである)


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