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ギャング情報「The Informers」 [手に汗握るサスペンス!!]

☆ギャング情報「The Informers」
(1962年制作、ケン・アナキン監督、脚本:アラン・ファルコナー、撮影:レジナルド・ワイヤー、音楽:クリフトン・パーカー、原作:ダグラス・ウォーナー
ナイジェル・パトリック、マギー・ホワイティング、コリン・ブレークリー、テレン・ネスヴィット、ハリー・アンドリュース、カトリーヌ・ウッドヴィル)
 
掘り出し物の作品。
脚本が良く出来ていて、展開がスピーディーで、ケン・アナキン監督は大作監督というイメージだったが、(「史上最大の作戦:The Longest Day」「バルジ大作戦:Battle of the Bulge」「素晴らしきヒコーキ野郎」「ペーパー・タイガー:Paper Tiger」等見応えある作品で知られる)小粒だが、ピリリと辛い作品を提供してくれた。

1940年代から監督として活躍、ディズニー映画(「ロビン・フッド」「南海漂流」)などの作品から、映画史に残る傑作「史上最大の作戦」「バルジ大作戦」等の対策も手懸けた何でもござれの監督である。ジョージ・ルーカスと親交が深かったということで「スター・ウォーズ」シリーズのアナキン・スカイウォーカーのアナキンは、ケン・アナキンからインスパイアされたものだという。

作品は、ロンドンで頻発する銀行強盗と主人公ジョノー警部(ナイジェル・パトリック)との戦いを描いた作品で、見応えある面白い作品であった。
刑事の抱える情報屋が殺され、銀行強盗一味の犯行と思われるが、証拠が無く、一人で嗅ぎまわるジョノー警部を疎ましく思った犯人一味は、ジョノー警部を罠に嵌め、贈収賄の罪で停職処分としてしまう。

停職となるまでの、さまざまなエピソードの積み重ねが、筋道が通っていて違和感が無く、非常にスムーズである。キレがある演出で、強面でいかにも経験豊富そうなジョノー警部を演ずるナイジェル・パトリックの風貌が、役柄に良く合っている。

コリン・ブレークリーが、情報屋だった兄が殺されたことで、復讐に執念を燃やす弟チャーリー役を演じ、イギリスの名優が存在感を見せている。最後、敵のアジトに乗り込み殺されてしまうが、この映画の唯一の不満なところで、彼を殺さずに、ジョノー警部と最後はがっちりと握手を交わしてほしかった。

同僚で嫌味な刑事が一人出てくるが、映画の流れの中では良いスパイスとなっていて、警視役のハリー・アンドリュースの手先となって、ジョノー警部を窮地に落して入れていく。この辺もこの手の映画には、不可欠でストーリーを盛り上げるのに、一役買っている。
ジェノー警部を救うきっかけとなるのは、奥さんで、それをジェノー警部の相棒が助けるのも、定番で良い。

掘り出し物の作品を見つけた感じで、非常にうれしい映画の楽しみの醍醐味でもある。ナイジェル・パトリックは主演作品もあるが、どちらかというと助演で印象深い俳優だが、この作品では、やり手の警部というイメージが良く出ていたと思う。(リメイク作品がないのだろうか。)

“毎日が映画日和” 80点


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大列車作戦「The Train」 [手に汗握るサスペンス!!]

☆大列車作戦「The Train」
(1964年製作、ジョン・フランケンハイマ-監督、脚本:フランクリン・コーエン、フランク・デイヴィス、撮影:ジャン・トゥルニエ、ワルター・ウォティッツ、音楽:モーリス・ジャール、原作:ローズ・ヴァラン
バート・ランカスター、ポール・スコフィールド、ジャンヌ・モロー、ミシェル・シモン、シュザンヌ・フロン、ヴォルフガング・プライス、ジャック。マラン)
   
ナチスドイツのヴァルトハイム大佐が、パリで保管されている著名な画家たちの絵画を強奪し、
列車でドイツに運び出そうと計画、ドイツの再軍備の費用
10億ドルに匹敵する資産価値があると上司を説き伏せる。

この物語は、フランス占領時代のジュ・ド・ボーム国立美術館(ルーブル美術館の別館)館長ローズ・ヴァランのノンフィクション「美術戦線」をベースにした映画で、フランス国鉄の鉄道員たちが、レジスタンスとして輸送を阻止するべく立ち向かうというサスペンス戦争大作。

鉄道員たちのリーダー格ラビッシュに扮するのはバート・ランカスター、美術品に異常執念を燃やすドイツ軍ヴァルトハイム大佐にポール・スコフィールドが扮し、緊張感あるサスペンスが心地よい。

鉄道員達が、鉄道電話で連絡を取り合い、ドイツに向かうと見せかけて実は出発駅に戻ってくるというトリックは、抜群に面白く、最初はさまざまな妨害工作で出発を遅らせることに成功するのだが、ラビッシュがリーダーだと知った大佐は、列車の機関士にラビッシュを指名し、見張りを付けて監視する。
協力する鉄道員たちは、命を懸けてフランスの財産を守り抜くべく、駅名を変更しドイツ軍を欺き、計画は成功したかに見えたが、連合国の到着が遅れ再び、ドイツ国内へ向けて列車は走りだす。

実話に基づく物語で、勿論計画は失敗するのだが、その辺は映画を見て確認していただきたい。列車、列車、列車と線路を走る列車が主人公で、鉄道ファンには堪らない作品であろう。ホテルの女主人として、フランスが舞台ということも有り、ジャンヌ・モローが顔を見せる。
最近ジョージ・クルーニー監督「ミケランジェロ・プロジェクト」が公開されたが、この作品もドイツ軍から美術品を守る物語だった。

ジョン・フランケンハイマ-監督は、ポリティカル・サスペンスやアクション娯楽大作を得意とし、楽しませてくれた監督である。
「影なき狙撃者:The Manchurian Candidate」「グラン・プリ:Grand Prix」「終身犯:Birdman of Alcatraz」「フレンチ・コネクション2:French ConnectionⅡ」「ブラック・サンデー:Black Sunday」等々骨太の見応えある
作品ばかりである。

バート・ランカスターとフランケンハイマ-監督とは4本のコンビ作があり、何れも評価の高い名作揃いである。(「終身犯」「五月の7日間」「さすらいの大空」)

”毎日が映画日和” 85点

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エアフォース・ワン「Air Force One」 [手に汗握るサスペンス!!]

☆エアフォース・ワン「Air Force One」
(1997年製作、ウォルフガング・ペーターゼン監督、脚本:アンドリュー・W・マーロウ、音楽:ジェリー・ゴールドスミス、撮影:ミヒャエル・バルハウス、
ハリソン・フォード、ゲイリー・オールドマン、グレン・クローズ、ウェンディ・クルーソン、ウィリアム・H・メイシー、ディーン・ストックウェル、フィリップ・ベイカー・ホール、ユルゲン・プロホノフ)
   
主演のハリソン・フォードが、マーシャル大統領を演ずるが、この時55歳と大統領役にはぴったりの年齢である。

元空軍の飛行士、ベトナム戦争で活躍した大統領という人物像は、テロリストと戦うアクティブな大統領にはぴったりで、脚本にも見事に反映され、この映画の成功は、良く練られた脚本もさることながら、ハリソン・フォードの魅力が最大限に生かされている事とキャスティングに成功していることだろう。

テロリスト役のゲイリー・オールドマンの迫真の演技もこの映画を面白くしている要因だが、役作りの上手さでは定評のある俳優で、「裏切りのサーカス:Tinker Tailor Soldier Spy」「ハンニバル:Hannibal」「ザ・コンテンダー:The Contender」等一見の価値ある作品ばかり。(「ハンニバル」でのボイジャー役は、顔を見るだけでは判断がつかないという役どころ)

デレク将軍役のユルゲン・プロホノフは、ウォルフガング・ペーターゼン監督の出世作「Uボート:Das Boot」で艦長役を演じていて印象深い。今作では、セリフは一切ないが、強面の風貌が存在感抜群で映画を引き締める。
悪役の多い俳優だが、名脇役の一人である。(ゲスト出演的な感じ)

大統領がテロリストとエアフォース・ワンの中で戦うという設定は、脚本作りに苦労したと思われるが、次から次と危機が訪れるという、畳み掛けるような演出は、(昨年もホワイト・ハウスが襲われて、大統領が活躍するという映画が2本制作されヒットしている)ハラハラドキドキさせて、家族を守るために耐え忍ぶというアメリカ人好みのストーリーで、緊張の連続。

グレン・クローズが副大統領を熱演、大統領夫人ウェンディ・クルーソン他、ディーン・ストックウェルやフィリップ・ベイカー・ホール、ウィリアム・H・メイシー等演技派が脇を固めている。
手引きをした警護官ギブスとの最後のアクション場面は、出来ればコールドウェル少佐も一緒に助けて欲しかった。

さまざまなエピソードがてんこ盛りのお腹いっぱいの作品で、流石エンターテイメントの国アメリカの作品。ウォルフガン・ペーターゼン監督のサービス精神満点の楽しい映画である。
純粋なエンターテイメント作品だが、今風のプロパガンダ映画のようにも見えるが、アメリカ政府や軍隊などは拍手喝采で喜んだのではないだろうか。
簡単に乗っ取られることは、まずないだろうが、、、、。

“毎日が映画日和”80点

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ダブル・ジョバディー「Double Jeopardy」 [手に汗握るサスペンス!!]

☆ダブル・ジョバディー「Double Jeopardy」
(1999年製作、ブルース・ベレスフォード監督、脚本:デヴィッド・ワイズバーグ、ダグラス・クック、音楽:ノーマンド・コルベイル、撮影:ピーター・ジェームズ
アシュレイ・ジャッド、トミー・リー・ジョーンズ、ブルース・グリーンウッド、アナベス・ギッシュ、ローマ・マフィア)



サスペンス映画の秀作で、アシュレイ・ジャッドの魅力あふれる作品となっている。
“二重処罰の禁止“を題材としたプロットが面白いし、警察は何をしているのという疑問は湧くものの、良く出来た脚本となっている。

幸せな結婚生活を送っていたリビー(アシュレイ・ジャッド)は、夫ニック(ブルース・グリーンウッド)が、ヨットから突然失踪、ヨットにはおびただしい血痕が残され、リビーは殺人の容疑で逮捕され刑務所送りとなる。
息子マティは、友人のアンジ-(アナベス・ギッシュ)に託し服役する。

夫が、生きていることを知ったリビーは、仮出所を果たし息子を取り返そうとニックの居場所を探すのだが、糸口となるアンジ‐は、ガス爆発で死んでいた。ニックに殺されていたのだが、、、、。
ニューオーリンズに潜んで、名前を変えてホテル経営をしていたニックを探し出し、息子の居場所を聞こうとするのだが、ニックはリビーの殺害を目論む。

保護観察官レーマン(トミー・リー・ジョーンズ)が、リビーに逃げられ後を追うのだが、ニックの存在を知ることになり、最後はリビーと共にニックを追い詰め、反撃にあったリビーは、ニックを撃ち殺し、息子マティと再会を果たすという物語。
一度、ニック殺しで刑に服していることから、同じ罪で裁かれることはないという“二重処罰の禁止:ダブル・ジョバディー”という法律を上手く、活用した作品で面白かった。

アシュレイ・ジャッドは、目鼻立ちのすきっとした女優で魅力的、ちょっとスタイルは今一だが、地味なイージーパンツ姿から、アルマーニのドレスに着替えるパーティーのシーン等は流石に映える。
モーガン・フリーマン主演のアレックス・クロスシリーズの「コレクター:Kiss the Girls」で注目を浴び、立て続けに主演作品が公開された、好感度の高い女優である。

トミー・リー・ジョーンズは、言うまでも無くハリウッドを代表する男優の一人で手堅い演技は、流石と思わせるが、1980年代はもっぱら脇役で、1990年代に入り、重要なパートを担う役を演じるようになり、「逃亡者:The Fugitive」で、アカデミー賞助演男優賞を獲得してからは、主演・助演と引く手あまたの活躍である。
日本では、コーヒーのCMで、10年来お茶の間を楽しませているが、大の日本好きでも知られる俳優である。

ブルース・ベレスフォード監督は、「ドライビング・Miss・デイジー」が、代表作だろうが、娯楽作品としては、今作が最も面白い作品ではないだろうか。

“毎日が映画日和” 80点


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ザ・シューター/極大射程「Shooter」 [手に汗握るサスペンス!!]

☆ザ・シューター/極大射程「Shooter」
(2006年製作、アントワーン・フークア監督、脚本:ジョナサン・レムキン、音楽:マーク・マンシーナ、撮影:ピーター・メンジ―ズ・ジュニア
原作:スティーブン・ハンター(ボブ・リー・スワガーシリーズ)
マーク・ウォールバーグ、マイケル・ペーニャ、ダニー・グローヴァー、ケイト・マーラ、ネッド・ビーティー、ローナ・ミトラ)
     
アメリカ海兵隊武装偵察部隊所属の狙撃手ボブ・リー・スワガー軍曹の活躍を描いたアクション・サスペンスで、マーク・ウォールバーグが、主人公スワガーを演じている。痛快でスカッとする作品。

アフリカのエリトリアで、任務遂行中のスワガーと狙撃手の相棒で、観測手ドニー上等兵は、敵に襲われ救援されず、ドニーはヘリコプターからの銃撃により死亡する。3年後、山中で隠遁生活をしているスワガーの元へジョンソン大佐(ダニー・グローヴァー)が訪れ、大統領暗殺を阻止するため、星条旗のため国のために協力してくれと頼まれる。

遊説中の大統領が最も狙われやすいという場所を特定し、(フィラデルフィア)遊説当日、狙撃を阻止しようとアドバイスする傍らで、ジョンソン大佐を中心とした暗殺犯たちは、スワガーを暗殺犯に仕立て上げようと企んでいた。
暗殺されたのは、エチオピアの司教で、同時にスワガーも一緒にいた警官により撃たれてしまう。

暗殺犯にされかかった理由を暴き、復讐を遂げていく過程が、ダイナミックなアクションとともに展開する。
FBIの新米捜査官ニック・メンフィス(マイケル・ペーニャ)が相棒となり、暗殺の真相に迫り陰謀を暴いていく、ドニーの恋人サラ(ケイト・マーラ)の協力、ニックの同僚アローデス捜査官(ローラ・ミトラ)の協力など美人女優を配したキャスティングなど、ビジュアルも計算に入れた演出は、アントーン・フークア監督の真骨頂だろう。

さまざまな何故?は、あるもののスティーブン・ハンターの原作とは、主人公の年齢はじめ、人物設定が大幅に違っていて、時代背景も違っている。そのため、当然ながら映画オリジナルストーリーとなっている。

エルトリアで、石油基地を作る際、民族紛争で争う部族同士を鎮静化させるため、ジョンソン大佐は、複合企業体と強力に繋がっているモンタナ州選出の上院議員ミーチャム(ネッド・ビーティー)の指示で400人とも言われる村人全員を虐殺し、石油基地の下へ埋めた。その秘密を知るエチオピアの司教から、アメリカ大統領へ漏洩することを恐れ、司教を暗殺するために仕組んだ陰謀だったということが解ってくる。

敵に捕まったメンフィス捜査官を救出するボート小屋での狙撃シーン、おとりとなる元凄腕スナイパーの屋敷で繰り広げられる派手な銃撃戦、雪山でのスリリングな狙撃シーンなど、随所に見所を配した構成も中々で、最後の山小屋で悪の一味(ジョンソン大佐、ミーチャム議員)を粛清するシーンも、ダイナミックに描かれ見応え十分である。

アントーン・フークア監督は、1998年「リプレイスメント・キラー:The Replacement Killers」で監督ビュー以来、コンスタントに作品を発表している「トレーニング・ディ:Traning Day」「キング・アーサー:King Arthur」「エンド・オフ・ホワイトハウス:Olympus Has Fallen」「イコライザー:The Equalizer」等の作品を手懸け、どの作品も一級の娯楽作品となっている。まだ若く、これからも楽しみである。

この作品は、全てにおいて平均点以上だが、キャラクターの個性とか、作品としてのアピールポイントが、もう一つインパクトに欠けたのか、続編を製作して欲しかったのだが、そこまでのヒットとはならなかったようだ。

”毎日が映画日和“ 80点


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ニューオーリンズ・トライアングル「Runaway Jury」 [手に汗握るサスペンス!!]

☆ニューオーリンズ・トライアル「Runaway Jury」
(2003年制作、ゲイリー・フレダー監督、脚本:ブライアン・コッぺルマン、デヴィット・レヴァーン、マシュウ・チャップマン、リック・クリーヴランド、撮影:ロバート・エルスウィンド、音楽:クリストファー・ヤング
原作:ジョン・グリシャム「陪審評決」
ジーン・ハックマン、ダスティン・ホフマン、ジョン・キューザック、レイチェル・ワイズ、ブルース・ディヴィソン、ブルース・マッギル、ルイス・ガスマン、ジェニファー・ビールス、クリス・カーチス)


   
リーガル・サスペンスを数多く執筆しているジョン・グリシャムの「陪審評決」を映画化。
ジョン・グリシャムの小説は、過去7作品映画化されており、「ぺリカン文書:The Pelican Brief」「依頼人:The Client」「処刑室:The Chamber」「原告側弁護人:The Rainmaker」「評決の時:A Time to Kill」「法律事務所:The Firm」何れもサスペンス映画としてレベルの高い作品となっている。

ベテラン男優のダスティン・ホフマンとジーン・ハックマンが、初めての共演というのが、意外な驚きだった。(私生活でも仲の良い友人)
陪審員を巡る駆け引き、法律事務所の姿勢、資金力にものを言わせる何でもありの策略など、実態かどうかは別として、法廷の裏面をたっぷり見せてくれる。

2年前の銃乱射事件で、被害者となり死亡した夫の無念を晴らそうと妻は、ベテラン弁護士ローア(ダスティン・ホフマン)を雇い、銃製造会社ヴィックスヴァーグ社を相手に民事訴訟を起こす。

ヴィックスヴァーグ側と加盟する銃協会は、この裁判で敗訴すると全米で訴訟が起きることから、絶対負けられないと凄腕コンサルタント・フィッチ(ジーン・ハックマン)を雇い、勝訴のため陪審員の過去や家庭事情などを徹底調査する。家宅侵入や多少の暴力沙汰も厭わないやり方が、事実とすれば、やはりアメリカは過激で怖い国である。

その一方で、謎の女性が、陪審員をまとめて勝訴にすると、原告側にも訴訟相手側にも1000万ドルで、評決の買収を持ちかける。
ありえない設定で、原作では、たばこ会社が相手になっているが、映画では銃製造会社に変更されている。
ジョン・キューザックとレイチェル・ワイズが、過去の学校乱射事件の被害者達の無念を晴らすため、当時、陪審工作で銃の会社を勝訴に導いたフィッチに復讐を果たすという作品。

判事役に、ブルース・マッギル、危険な調査員にブルース・ディヴィソン、陪審員にルイス・ガスマン、クリス・カーチスなどベテランをキャスティング、うれしいことにジェニファー・ビールスも顔を見せている。

ダスティン・ホフマンが、人間の善意を信ずる弁護士役、ジーン・ハックマンは裁判に勝つことに執念を燃やす何でもありの悪人役で熱演を見せ、この映画を盛り上げる。法廷サスペンスとしても、上質の作品にまとまっており、監督のゲイリー・フレダーは、作品数は少ないが、サスペンス物を得意としていて、まだ49歳とこれからの監督である。(「コレクター:Kiss the Girls」「サウンド・オブ・サイレンス:Don’t Say A Word」等、大物俳優主演映画で実績を残す)

上映時間128分、一瞬たりとも気の抜けない映画で、十分楽しめる作品である。残念ながら、興行的にはが思ったようにはヒットせず、アメリカ国内だけでは、製作費(6千万ドル)を回収できなかった。

“毎日が映画日和” 85点


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ペリカン文書「The Pelican Brirf」 [手に汗握るサスペンス!!]

☆ペリカン文書「The Pelican Brief」
(1993年制作、アラン・J・パクラ監督、脚本:アラン・J・パクラ、音楽:ジェームズ・ホーナー、撮影:スティーブン・ゴールドブラッド、原作:ジョン・グリシャム「ペリカン文書」
ジュリア・ロバーツ、デンゼル・ワシントン、サム・シェパード、ジョン・リスゴー、ジョン・ハード、トニー・ゴールドウィン、ウィリアム・アザートン、ヒューム・クローニン、スタンリー・トゥッチ、ジェイク・ウェーバー)

 
「プリティ・ウーマン:Pretty Woman」で、一躍スターダムに駆け上がったジュリア・ロバーツが、そのキャリアをステップアップさせた、ヒット作品で,、ジョン・グリシャム原作「ペリカン文書」の映画化である。

デンゼル・ワシントンが、ワシントン・ヘラルド紙の敏腕記者を演じている。(原作では、白人でワシントン・ポスト紙の記者となっている。)
デンゼル・ワシントンは、アカデミー賞助演男優賞を受賞(「グローリー:Glory:1989年」)し、押しもおされぬ黒人男優のトップスターとなり、1990年代は、主演作を立て続けに発表し、現在ではハリウッドを代表するトップスターとなっている。

編集長を演じるジョン・リスゴーは、性格俳優として舞台、映画で活躍する名優だが、「リコシュ:Ricochet:1991年」というキレのあるアクション・サスペンスで、検事と復讐犯という役柄でデンゼルと共演済みで、この作品でも抜群の存在感を見せている。

法律を学ぶ学生ダービーは、キャラハン教授(サム・シェパード)の恋人でもあり、最高裁の判事が一夜の内に2人暗殺されたことで、仮説をたてレポートを作成(ペリカン文書)教授に渡す。興味を抱いた教授はFBIの友人ヴァーヒーク(ジョン・ハード)へレポートを渡すことになるのだが、そこから事件が始まって行く。

背景には環境保護問題と石油開発の問題があり、ペリカンなどの水鳥が生息する湿地帯を守ろうとする団体と、開発を推進する石油会社と法律事務所が訴訟問題を抱えている事が、明らかになってくる。殺された判事は、環境保護派の判事だったこともわかってくる。

キャラハン教授、ヴァヒークが殺され怯えるダービーは、ワシントン・ヘラルドのグランサムに助けを求めることとなる。

石油開発会社マティースは、大統領の有力支援者で大口の献金者でもあることから、レポートを読んだ大統領は、捜査を一時中止するようFBI長官に指示する。大統領補佐官コールは、裏で暗躍し調査を進めるダービー(ジュリア・ロバーツ)とグランサム(デンゼル・ワシントン)の命を狙う。

141分があっという間に過ぎ去る“映画力”のある作品で、原作を脚色し、アレンジしている。難を言えば、後半法律事務所のモーガン(法律事務所が判事暗殺に関与を告発する)を探す場面は、もっと短縮しても良かったのではないだろうか。また 暗殺者(カーメル)を殺害するのが誰だったかもFBI長官のコメントを聞くまでは解らないし、ちょっと説明不足で間延びした印象も拭えない。

スぺクタクルな派手な場面はほとんどないが、アラン・J・パクラ監督の丁寧な映画作りが功を奏していて、非常に見応えあるサスペンス作品となっている。
暗殺者、ペリカン文書の存在、FBIの関与、政権中枢部の関与、法律事務所の内部告発など、ヒット映画の要素を詰め込んで制作されたこの作品は、2億ドルの興行収入を挙げ期待に応えた。

名優ヒューム・クローニンが判事役、ロバート・カルプが大統領役で懐かしい顔を見せている。
アラン・J・パクラ監督は、「コール・ガール:Klute;ブログNo111」「パララックス・ビュー:The Parallax View:ブログNo131」「大統領の陰謀:Aii the President’s Men」「ソフィーの選択:Sophie’s Choice」「推定無罪:Presumed Innocent」等のヒット作品を監督、製作者(ロバート・マリガン監督作品が多い)としても有名だった。

“毎日が映画日和” 85点

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依頼人「The Client」 [手に汗握るサスペンス!!]

☆依頼人「The Client」
(1994年制作 ジョエル・シュマッカー監督、脚本:アキヴァ・ゴールズマン、ロバート・ゲッチェル、音楽:ハワード・ショア、撮影:トニー・ピアース・ロバーツ、原作:ジョン・グリシャム
スーザン・サランドン、ブラッド・レンフロ、トミー・リー・ジョーンズ、メアリー=ルイーズ・パーカー、アンソニー・ラバーリア、オジー・デイヴィス
ウィル・パットン、J・T・ウォルシュ、アンソニー・ヒールド)


ジョン・グリシャム原作の映画化で、マフィアとFBIの両方から追われる少年マーク(ブラッド・レンフロ)と弁護士レジー・ラブ(スーザン・サランドン)の信頼と活躍を描いた作品。

偶然マフィアの弁護士が、拳銃自殺する場面に遭遇したマークとリッキーの兄弟は、発見者として通報したことから、弁護士とマフィアとの関係を洗っていた、議員の殺人事件を追う検事のロイ(トミー・リー・ジョーンズ)は、証言を聞くためスタッフと共に乗り込んでくる。また議員を殺したマフィアは、弁護士が、少年に秘密を話したのではないかと子供に家族も殺すと脅す。

マークと弁護士のレジーが、この危機を乗り越え、どのように解決するかが、スリリングに描かれていく作品で、脚本が面白いのと演じる俳優達の熱演もあり見応え十分で、ラストは思わず涙が滲む傑作となっている。

監督のジョエル・シュマッカーは、同じジョン・グリシャム原作の「評決のとき」、「バットマン・フォーエヴァー」「バットマン&ロビンMr‘フリーズの逆襲」、ミュージカル「オペラ座の怪人」や「ヴェロニカ・ゲリン」等ヒット作を連発する映画を良く知っている職人監督で、無駄のない演出を見せる。

マークを演じるブラッド・レンフロは、この映画のオーディションで5000人の中から抜擢をされ一躍時の人となり、その後も話題作へ出演したが、私生活では、警察沙汰が続き、25歳という若さでヘロインの過剰摂取で死亡している。

スーザン・サランドンは、今やベテラン女優として確固たる地位を築く大物女優の一人だが、この作品では、見応えある流石の演技でアカデミー賞主演女優賞に、3度目のノミネートをされている。(英国アカデミー賞では、見事主演女優賞を受賞している。)
トミー・リー・ジョーンズは、「逃亡者:The Fugitive」でアカデミー賞助演男優賞受賞の翌年の作品で、役作りが素晴らしい。この語、主演作品が続いていきハリウッドの大物俳優となっている。
助演陣も重厚な布陣のキャスティングで、この映画は全世界で制作費の3倍近い興行成績となりヒットした。

ジョン・グリシャム作品は、原作が面白いこともあり、映画化されるケースが一時続いたが、最近は落ち着いている。20作以上の小説を発表していて、映画化は7作、これからも映画化のニュースが、聞こえるだろう。期待したい。

“毎日が映画日和” 80点


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ホワイトハウス・ダウン「White House Down」 [手に汗握るサスペンス!!]

☆ホワイトハウス・ダウン「White House Down」
(2013年制作 ローランド・エメリッヒ監督、脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト、音楽:ハラルド・クローサー、トーマス・ワンカー、撮影:アンナ・フォースター
チャニング・ティタナム、ジェイミー・フォックス、マギー・ジレンホール、ジェイソン・クラーク、ジェームズ・ウッズ、リチャード・ジェンキンスランス・レディック、ジョーイ・キング)
 

 
テロリストに襲われて占拠されたホワイト・ハウスで、たまたま娘と見学ツアーに参加していた下院議長警護の警察官ケイル(チャニング・テイタム)と大統領(ジェイミー・フォックス)そして、娘のエミリー(ジョーイ・キング)の3人が大活躍するパニックサスペンス。

この年、ホワイト・ハウスがテロリストに襲われる映画はもう1本「エンドオブ・ホワイトハウス:Olympus Has Fallen」が公開されている。

軍需産業と結託する下院議長ラファエルソン(リチャード・ジェンキンス)と陰謀を巡らせるのは、息子が戦争で亡くなったことで、二度と戦争を起こさない様に核戦争で相手の国を抹殺しようと企む大統領警護官のマーティン(ジェームズ・ウッズ)で、陰謀によるテロをハイウッドお得意の大艦巨砲主義的手法(これでもかこれでもかとエスカレートしていく手法)で、ダイナミックに描いている。

ホワイトハウスフリークで、大統領ファンのエミリーが、後半大活躍するあたりは、ハリウッドらしい演出で、観客の喜ばせ方を知っている。
エミリーが星条旗を振って軍の爆撃を思いとどまらせるシーンは、映画冒頭学校行事で旗を振るエミリーのシーンと連動させ、父親カエルが忘れて観に行かなかったことが伏線となっている。

背広姿から、上半身ベストを着て戦うカイルの方が、数段魅力がアップする、主演のチャニング・テイタムは、ボンボン風の容貌とは違い、逞しい身体で、軍人役や警察官役などが良く似合う俳優である。
35歳と若いことからこれからのハリウッドを背負うスターとなる逸材であろう。甘いマスクは勿論、女性好みだろうし恋愛ものも悪くないのだが、やはり、サスペンスやミステリーアクションの方が、良く合う俳優である。

敵役のジェームズ・ウッズは、ベテランで屈折した精神的に病んだ役ははまり役で、雰囲気を盛り上げてくれる、俺の出番とばかり名演技を披露する。
惜しむらくは、金で雇われる傭兵たちにもう少し個性の強い俳優達が欲しかった、凄味がないので、はらはら感が不足している。

ストーリーは、特筆すべき内容ではないが、細かなプロットやストーリーの組み立て方をどうするかの違い位で、退屈しないで観れる娯楽大作となっている。
多くの爆発や銃撃シーンはあるものの、残虐なシーンはなく、子供も一緒に見れるような内容となっているが、ハッピーエンドとなることで、めでたしめでたし、只、ハワイトハウスが、こうも簡単に攻略されるようでは、映画とはいえ、心もとないが、実際はそんなことはないと思うのだが、、、、、、。
マリリン・モンローとケネディ大統領が、秘密の通路を利用して会っていたというのは、本当なのだろうか。

“毎日が映画日和” 70点



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ミッション・インポッシブルⅣ/ゴースト・プロトコル「Ghost Protocol」 [手に汗握るサスペンス!!]

☆ミッションインポッシブルⅣ/ゴーストプロトコル「Ghost Protocol」
(2011年制作、ブラッド・バード監督、脚本:アンドレ・ネメック、ジョシュ・アッペルバウム、音楽:マイケル・ジアッキーノ、ラロ・シフリン、撮影:ロバート・エルスウィット
トム・クルーズ、ポーラ・ハットン、サイモン・ベグ、ジェレミー・レナ―、レア・セドウ、ヴィング・レイムス、ミシェル・モナハン)
     
核兵器で世界滅亡を企む“コバルト”こと、カート・ヘンドリスクとの戦いを描く第4作目。

イーサン・ハントは、IMFの指令によりクレムリンでの任務を遂行するのだが、罠にかかって爆破テロに巻き込まれ負傷する。ソビエト諜報機関によって犯人として拘束されるが、病院を脱出、IMF長官から新たな指令を受けている途中で銃撃され、長官は殺されてしまう。

大統領は、IMFを閉鎖し「ゴースト・プロトコル」を発令し、組織は閉鎖、後方支援が無くなってしまう。世界を核戦争で破滅に導こうとする元スェーデン特殊部隊で核兵器戦略家ヘンドリスクとの戦いをアクションとCG満載で描く、ノンストップ・アクション映画である。
前作から、チームプレイが増えてきて、テレビで人気を博した「スパイ大作戦」に近づいた様に感じる。

川の中からの脱出、砂嵐の中でのカー・チェイス、ドバイの高層ビルへの侵入シーン、モスクワの諜報機関シディロフの執拗な追跡、駐車場での暗号の奪い合い他、さまざまな見せ場が用意されている。

今回のチームメンバーは、ジェーン(ポーラ・パットン)、前作に引き続きベンジー(サイモンペグ)そしてブラント(ジェレミー・レナ―)の4人で、ルーサー(ヴィング・レイムス)は、最後にちょっと顔見世出演、ハントが結婚した相手ジュリアも最後に顔を見せる程度となっている。ブラントの過去やジェーンの復讐劇なども絡ませ、脚本を膨らませていて、映画としては前作より、観やすかったが、悪役にインパクトが無く凄味が不足していたのが残念。

今回のロケ地は、ドバイ、プラハ、モスクワ、ムンバイ、バンガロール、バンクーバーと007映画の様に多岐に亘り、007を思わせるような小道具も沢山使われている。
既に、第5作が完成しており、日本ではこの7月後半封切りされる。

このシリーズは、コンスタントに興行収入が稼げる作品で、今作は世界中で大ヒットし、7億ドル近い収入となっている。(制作費を差し引くと5億ドル以上の利益)製作も兼ねるトム・クルーズが元気なうちは、このシリーズは制作されていくのだろう。

“毎日が映画日和” 85点


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