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男の旅立ち「The Culpepper Cattle Co」 [甘く切ない青春の想いで]

☆男の出発(たびだち)「The Culpepper Cattle Co」
(1972年制作、ディック・リチャーズ監督、脚本:エリック・パー子ヴィッチ、グレゴリー・プレンティス、撮影:ローレンス・エドワード・ウィリアムズ、ラルフ・ウールジー、音楽:トム・スコット、ジェリー・ゴールドスミス
ゲイリー・グライムズ、ビリー・グリーン・ブッシュ、ボー・ホプキンス、ジェフリー・ルイス、マット・クラーク、ジョン・マクライアム)
   
16歳の少年がカウボーイに憧れ、コックの助手とそして雇われ、テキサスからフォート・ルイスへキャトル・ドライブに旅立ち、さまざまな経験を経て母親の元へ帰ってゆくという青春西部劇。

ボスのフランク・カルペッパー初め、カウボーイ達を演ずる俳優達が渋い。
多くの映画で見かける、マット・クラークやジェフリー・ルイスが出演しているのも嬉しい。

牛泥棒との戦いで、仲間が死んだり、馬泥棒に襲われ、馬泥棒との撃ちあいなどを経験する中で、カウボーイの生活が甘いものでないことを知ってゆく。
キャトルドライブの途中で起こる、地主とのいざこざで、仲間を失い敵も全滅させるが、現実に直面することで、母親の元へ帰る決断をするという、青年期の男の成長物語をセピア色の画面の中で淡々と描いていく。

ディック・リチャーズ監督は、「さらば愛しき人よ:Farewell My Lovely」で、一躍注目を浴びた監督だが、「男の出発」が初監督作品である。
「トッツィー」の製作も手懸けている。

主演は、名作1971年制作「おもいでの夏:The Summer of 42’」で、主人公のハーミーを演じた、ゲイリー・グライムズで、成長過程の揺れる少年を演じているが、「おもいでの夏」同様の瑞々しい演技を見せ、この作品でもキャラクターに良く合っている。
壮絶なガンファイトやカウボーイたちの生活感も良く出ていて、牛の暴走や牛泥棒、馬泥棒なども脚本に上手く織り込み、西部劇の魅力を散りばめた佳作となっている。

少年が成長してゆく西部劇に、「11人のカウボーイ:The Cowboys;71」やガンマンとして非業の最期を遂げる若者を主人公とした同じくゲイリー・グライムズ主演の「スパイクス・ギャング:The Spikes Gang;74」など、少年が成長してゆく過程を描いた西部劇の傑作が多いのも1970年代前半の特徴を表している。

“毎日が映画日和” 75点


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個人教授「La leçon particulière」 [甘く切ない青春の想いで]

☆個人教授「La leçon particulière」
(1968年製作、ミシェル・ボワロン監督、脚本:クロード・ブリュレ、アネット・ワドマン、ミシェル・ボワロン、撮影:ジャン=マルク・リベール、音楽:フランシス・レイ、
ルノー・ヴェルレー、ナタリー・ドロン、ロベール・オッセン、ベルナール・ル・コワ、カティア・クリスチーナ)
   
1960年代後半、この作品で一躍スターとなったルノー・ヴェルレーの出世作で、アラン・ドロン夫人だったナタリー・ドロンの代表作となった映画。
高校生と年上の女性の切なくほろ苦い恋を描いたフレンチテイストの秀作である。

監督は、ミシェル・ボワロンでコメディやスパイ映画など、さまざまなジャンルで活躍した監督で、ルノー・ヴェルレーとは、2年後「さらば夏の日」という青春映画でもコンビを組んでいる。

恋人のレーサー、フォンタナ(ロベール・オッセン)と擦れ違いが多く、関係がぎくしゃくしていたオリヴィエ(ナタリー・ドロン)は、車の運転を助けてくれたフレデリク(ルノー・ヴェルレー)のストレートで純粋な愛に戸惑いながらも徐々に受け入れ、アヴォリアスのスキー場で結ばれる。

撮影時ナタリー・ドロン27歳、実生活では既に子供もいたが、モデル出身だけあって、清楚な大人の女性の雰囲気を醸し出し、高校生が憧れるという役にはぴったり。アラン・ドロンとは2年後離婚するが、女優業をその後続け、監督作まで発表している。

ルノー・ヴェルレーは、撮影時既に23歳、日本で爆発的な人気を呼び、東宝で2本の映画に主演した。(「愛、ふたたび」「恋の夏」)。
現在も俳優業を継続しているとのこと。
ロベール・オッセンは、渋い俳優で、また監督作も多い。出番は少ないが、存在感ある演技を見せている。

結ばれた後、フォンタナがニューヨークから戻ってくると、オリヴィエと再び結ばれたことを知ったフレデリクは、複雑な大人の恋愛観を知り、単純に割り切れない愛が存在することに気付き、オリヴィエの前から去って行くというストーリー。

フレデリクの乗るバイクや、当時のスーパーカーランボルギーニを映画の中に上手く取り入れ、フランシス・レイの奏でる物悲しいテーマ曲が、映画全編に使われていて情感溢れるメロディーが、映画の雰囲気を作りあげる。
(「さらば夏の日」でもフランシス・レイが、爽やかなメロディーを聞かせる)

この映画を最初に観た当時は高校1年生(1969年)で、当時の映画の感想を書いている文章を読み返して見ると、この主人公に憧れたコメントが残っている。
何んとも懐かしかったが、作品の構成、編集、撮影、音楽どれをとっても印象が良く、ミシェル・ボワロン監督の情感溢れる佳作となっている。

“毎日が映画日和” 75点


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