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エクスペンタブルズ3「The Expendables 3」 [頑張るベテランスター達]

☆エクスペンダブルズ3「The Expendables3」
(2014年制作、パトリック・ヒューズ監督、脚本:シルヴェスター・スタローン、クレイトン・ローゼンバーガー、カトリン・ベネディクト
音楽:ブライアン・タイラー、撮影:ピーター・メンジース・ジュニア
アーノルド。シュワルツェネッガー、ハリソン・フォード、メル・ギブソン、ジェイソン・ステイサム、アントニオ・バンデラス、ウィズリー・スナイプス、ドルフ・ラングレン、ジェット・リー、シルヴェスター・スタローン)
    
「エクスペンダブルズ」シリーズの3作目で、派手な重厚感たっぷりな銃撃戦や格闘アクションが売り物で、ストーリーはあまり関係なく、これでもかと出演するアクションスター達を楽しむ映画である。

スタローン自ら語っているように、幅広い層に見てもらうために暴力表現を抑えたということで、戦闘シーンは凄いものの残虐シーンは本当に少なかった。
1作目、2作目に引き続き出演しているのは、スタローン、ジェイソン・ステイタム、ドルフ・ラングレン、ランディ・クートア、テリー・クルーザー、ジェット・リー、シュワルツェネッガー等がいるが、今回のゲストとしては、ハリソン・フォード、ウェズリー・スナイプス、アントニオ・バンデラス、メル・ギブソンと一時代を築いたヒット作が目白押しの主演スターを揃えている。

それぞれの俳優をそれなりに、イメージを損なわない様に脚本作りをするのも、大変だろうと思うが、前2作に出演していたチャーチ役ブルース・ウィリスは、ギャラが合わず降板、後任役で出演のハリソン・フォードは、“チャーチは2度と出てこない”と語るセリフまで用意されている。(ブルースは、300万ドルの出演料に対し400万ドルを要求したらしい。ハリウッドらしい話である。)

CIA作戦担当指揮官ドラマー(ハリソン・フォード)からの指示で、バーニ―は、旧知の仲間と作戦遂行中、任務に失敗しシーザー(テリー・クルーサー)を負傷させてしまったことから、彼らの家族の為にも、仲間との仕事を継続せず、止めることを決意する。

しかし、元エクスペンダブルズのメンバーで、武器密売組織のリーダー、ストーンバンクス(メル・ギブソン)の捕縛のため、新しい仲間を募り、再びストーン・バンクスを追うのだが、逆に仲間が捉えられてしまい、単身救出に向かおうとすると旧知の仲間が駆けつけるというストーリー。

救援チームの一員として民間軍事会社の経営者トレンチ(アーノルド・シュワルツェネッガー)が、元エクスペンダブルズメンバーで、トレンチの部下となっているイン・ヤン(ジェット・リー)とドラマーの3人で、ヘリコプターで救出に加わる。運転するのは、ハリソン・フォードで、飛行免許を持っているとのこと。俳優の運転シーンやアクションシーンのほとんどは、CGやスタントアクションだが、臨場感あふれる場面が続いて迫力満点である。

監督のパトリック・ヒューズは、オーストラリア出身のまだ2作目の47歳、脚本家、編集者。プロデューサーとして活動している。
この作品は、1作、2作目と比較すると興行収入としては成績が思わしくなかったが、(とはいっても2億ドル)早くも、4作目の製作が噂されている。
60歳を超えるシュワルツネッガー、ハリソン・フォード、スタローン等が若い者に負けるものかと頑張る姿に、俳優魂を感じてうれしくなる。

“毎日が映画日和” 85点(頑張るベテランスター達に敬意を表し10点プラス)


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切られ与三郎 [時代劇の名作の1本!]

☆切られ与三郎
(1960年制作、伊藤大輔監督・脚本、撮影:宮川一夫、音楽:斎藤一郎
市川雷蔵、淡路恵子、冨士真奈美、浦辺粂子、小沢栄太郎、中村玉緒、多々良純)
   
江戸時代嘉永6年(1853年)中村座にて上演された「与話情浮名横櫛」の中の演目のひとつで、通称「切られ与三」で名高い歌舞伎である。
お富与三郎、源氏店(げんやだな)としても有名である。

伊藤大輔監督、宮川一夫撮影監督、主演市川雷蔵は、「1958年:弁天小僧」をヒットさせ、再びトリオで映画製作に挑んだ作品、新たな解釈を加えた野心作となっている。

お富に扮するのは、淡路恵子(出演時27歳)で、大人の色気で画面を彩り、粋なお妾さんを演じている。この雰囲気はなかなか出せるものではなく、日常の生活の営みの中で身に付いた所作、教養が出ている。
萬屋錦之介と再婚し幸せかに見えたが、錦之介の浮気で離婚したが、最後まで錦之介を愛した人でもある。「男はつらいよ知床慕情」での、三船敏郎との共演が印象深いが、映画デビュー作は、黒澤明監督、三船敏郎主演の「野良犬」、16歳ながら犯人を庇う役柄で強烈なデビューを飾っている。

撮影監督宮川一夫の画面構成が見事で、世界の宮川を感じられる作品でもある。
日活京都、京都大映、フリー時代と1930年代半ばから1980年代後半まで活躍した日本を代表する撮影監督の一人である。溝口健二、黒澤明、稲垣浩、森一生、三隅研次、篠田正浩監督など錚々たる監督と仕事をしている。

放蕩息子が、余興三昧の三味線引きからやくざ者に転落、人殺しの汚名まで着せられて、とうとう本当に人を殺めるが、義理の妹の幸せを願い奮闘している内に、妹の本当の気持ちを知り自殺した妹を抱いて共に身を沈めるというお涙頂戴ものである。

おきん役の富士真奈美が、あまりにも可愛いくびっくりだし、大映の看板女優の中村玉緒も出演、彩りを添えている。
思惑と違いどんどん不幸になってゆくという筋立ては、当時の世相を反映したものでもあるのだろうが、今の世では“辛気臭い”で片づけられる作品だろう。
セットの見事さといい、映画職人たちの心意気が感じられる作品で見応え十分。

“毎日が映画日和” 75点




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ゴーン・ガール「Gone Girl」 [美人女優を楽しむ]

☆ゴーンガール「Gone Girl」
(2014年制作、デヴィット・フィンチャー監督、原作・脚本;ギリアン・フィッシュ、音楽:トロント・レズナー、撮影:ジェフ・クローネンウェス
ロザムンド・パイク、ベン・アフレック、キャリー・クーン、ニール・パトリック・ハリス、タイラー・ベリー、キム・ディケンズ)
   
主人公を演じているロザムンド・パイクは、「007ダイ・アナザー・ディ:Die Another Day」で、敵の広報担当ミランダ・フロスト役(出演時23歳)を演じ、見栄えのする久しぶりのボンドガールが出てきたと喜んだことを覚えているが、その後実績を積んだ彼女が、計算高い悪女役に挑戦し、大成功したのがこの作品(出演時35歳)である。

デヴィット・フィンチャー監督で、原作者が脚本も担当し予測不能な悪女の行動を描いたサスペンス・ミステリーである。
多少パラノイアがかっている女性エイミーの性格描写は、女性は怖いと感じさせるに十分だが、自分の保身のために、男を食い物にしていく女性というのは今までも映画化されており(例えば、ジャンルは違うが「危険な情事:Fatal Attraction:87」「ディスク・ロージャー:Disclosure:94」等)、目新しくはないが、今風のメディアを巻き込んだ斬新なストーリーと計算されつくした脚本が、149分という長丁場を飽きさせない。

手の込んだ用意周到さに感心するが、それに引き換え、のほほんと若い女性と浮気している夫ニコラス(ベン・アフレック)の間抜け振りは、腹立たしいぐらいだが、演ずるベン・アフレックの雰囲気(人が良くて、どこか呑気そうなところ)が良く合っている。

練りに練られた脚本、全体の構成、フィンチャー監督独特の暗~い色調の画面のタッチに魅了される。
「エイリアン3:Alien3:92」で映画デビュー、「セブン:Seven:95」
「パニック・ルーム:Panic Room:02」「ベンジャミン・バトン数奇な人生:The Curious of Benjamin Button:08」「ドラゴン・タトゥーの女:The Girl with the Dragon Tattoo:11」等のヒット作を連発しているヒットメーカーでもある。

妹役(キャリー・クーン)や刑事役(キム・ディケンズ)、番組司会者2名などこの作品に出演する女優陣がなかなか良い仕事をしているし、ニコラスの弁護士役タナーを演ずるタイラー・ベリー(どことなくローレンス・フィシュバーンを彷彿とさせる)も、うまい演技を披露している。
エイミーに恋い焦がれ、利用され殺されるデジー役ニール・P・ハリスも、ある種偏執教の役でまともではないのだが、風貌からしてそれらしく見えて面白い。

殺人に見せかけ、夫を懲らしめ殺人者として逮捕させようと、用意周到に練られた計画を着々と遂行してゆく様は、サスペンスの盛り上げ方も上手く、この女性のキャラクターをしっかりと捉えたロザムンド・パイクの演技が素晴らしい。化粧や髪形で顔の雰囲気まで変わるその演技は、“はまった”という形容が相応しい。
良く女優は、汚れ役で化けるというが、こういうことを言うのだろう。

初めて彼女を意識した、「007」でその片鱗を見せてはいたが、この映画のヒットで、大物女優の仲間入りを果たすことだろう。
上質のサスペンスで面白かった。

“毎日が映画日和” 80点


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バトルフロント「Homefront」 [重厚なサスペンスアクション]

☆バトルフロント「Homefront」
(2013年制作、ゲイリー・フレダー監督、脚本・制作:シルヴェスター・スタローン、音楽:マーク・アイシャム、撮影:デオ・ヴァン・デ・サンデ
ジェイソン・ステイタム、ジェームズ・フランコ、ウィノナ・ライダー、ケイト・ボスワース、フランク・グリコ、クランシー・ブラウン)
    
超ド級のクライムアクションで、シルヴェスター・スタローンが製作にも名を連ね、脚本を担当している。
今から20年前なら、間違いなくスタローン本人が演じた役だろう。70歳手前にして今も変わらず映画出演を続けている生粋の映画人である。

麻薬潜入捜査官だったフィル(ジェイソン・ステイタム)は警官を辞め、一人娘のマディと一緒に亡き妻の田舎で生活をしていた。
マディがいじめっ子をやっつけたことから、犯罪組織と戦うことになっていく。

冒頭の麻薬捜査のアクションシーンが、凄すぎてのっけから緊張感MAXでスタートする。CG(VFX&SFX)を巧みに取り入れていて、迫力のアクションシーンの連続で、娘を守るため必死の戦いに挑むジェイソン・ステイサムが、カッコイイ。
ジェイソン・ステイサムに良く合う役柄で、前作「ハミング・バード」がもう一つの出来映えだっただけに、スカッとするアクションシーン満載ですっきりする。

非常にわかり易く、100分という上映時間もちょうど良いし、仇役もそこそこに凄味があり、タッチも重厚で好みの作品に仕上っている。
テイストは違うものの、娘のため元捜査官が悪の一味と戦うという設定は、リュック・ベッソンが率いるヨーロッパ・コープが製作し大ヒットとなった映画「96時間」にも似ている。

残念ながら、ヒット作とはいえない成績だったようで、ヒットするには悪役サイラスをもう少し凄味を利かせ、ゲイターと保安官をもっとあくどくする必要があったのではないか。
ウィノナ・ライダーが(アカデミー賞で2度ノミネートの実力派)、中途半端な悪女役を演じているのが寂しかった。

ジェイソン・ステイサムは、ここのところ主演作が目白押しだが、主演作よりは、「エクスペンダブルズ」シリーズや「ワイルド・スピード」シリーズでの助演の方がヒットしているのが、気になるとこで、そろそろ、「トランスポーター」に続くヒット作が欲しい。
それにしても、キレのあるアクションは健在で、安心して観ていられる。

“毎日が映画日和” 75点


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F/X2イリュージョンの逆転「F/XⅡThe Deadly Art of Illusion [アイデア満載の佳作]

☆F/X2 イリュージョンの逆転「F/X2The Deadly Art Of Illusion」
(1991年制作、リチャード・フランクリン監督、脚本:ビル・コンドル
音楽:ラロ・シフリン、撮影:ヴィクター・J・ロンドン
ブライアン・ブラウン、ブライアン・デネヒー、レイチェル・ティコティン
ジョアンナ・グリーソン、フィリップ・ボスコ、ジョシー・デ・ガスマン)
   
前作が面白かったので、5年後に製作された続編を鑑賞したが、前作ほど上質とはいかなかったが、面白い作品で楽しめた。
ことわりきれずに、恋人キム(レイチェル・ティコティン)の元亭主マイクの要請で、警察に協力することになったロニー・タイラーだが、作戦遂行中にマイクが殺される。

事件現場を盗撮していたタイラーは、マイクの上司シラク警部が絡んでいることを知ったことから、シラクから狙われることになり、今は私立探偵となっているレオの協力を求め、事件の背後に潜む陰謀を暴き出していく。

レオの警察内部の協力者ペレス(ジョシー・デ・ガスマン)が、レイと中華街で殺されてしまう場面とか、検事補のリズが、マフィアと手を結んでいたという設定は、ちょっと自然でなく、ちょっと苦しい展開だったように感じるし、前作とは違い、特殊効果を活かすというよりは、マフィアのベッカーの邸宅でのアクションシーンは、どこか漫画チックになってしまった。

ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂で描いた絵画を自らメダルとして作成した金貨が、盗難に合い、盗んだ実行者は刑務所で余命いくばくもなく、シラク警部は受刑者二―リーに隠した場所を聞き出すように指示、マフィアのベッカーに売り払おうという計画だった。殺されたマイクは、実はこの盗難事件を追っていて、シラクは関係が知られるのを恐れ、殺害したものだった。

ストーリーとしては、まあ面白く観れたのだが、前作と違いサスペンス力が不足してしまったのは残念。このシリーズは、この後テレビでシリーズ化された。

“毎日が映画日和” 70点


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F/X引き裂かれたトリック「F/X Murder by Illusion」 [アイデア満載の佳作]

☆F/X引き裂かれたトリック「F/X Murder by Illusion」
(1986年制作 ロバート・マンデル監督、脚本:ロバート・T・メギンソン
 グレゴリー・フリーマン、音楽:ビル・コンティ、撮影:ミロスラフ・オンドリチェック、
ブライアン・ブラウン、ブライアン・デネヒー、ダイアン・ヴェノーラ、クリフ・デ・ヤング、メイソン・アダムズ、ジェリー・オーバック)
     
小品ながらもピリッとスパイスの利いた良品で、このような作品が大好きである。
キャスティングが渋いのも良い。

司法省の役人から犯人逮捕の協力を依頼された映画の特殊効果担当のロニー・タイラー(ブライアン・ブラウン)が、無頼派刑事レオ(ブライアン・デネヒー)と捜査協力しながら事件を解決し、大金を手に入れるというストーリーで、スカッとする面白い作品となっている。

さまざまな特殊効果を、脚本にうまく取り入れ効果的な演出を見せてくれる。
ロバート・マンデル監督は、テレビ映画やドラマ、数本の映画監督作品を残していて、恐らくこの作品が一番のヒット作ではないだろうか。

刑事レオを演ずるブライアン・デネヒーは、舞台で活躍トニー賞2度受賞の実力派で、さまざまな映画で活躍し、悪役から善人役まで幅広い演技で楽しませてくれる個性派俳優である。1990年以降はテレビ出演が多く、俳優の傍ら制作、演出とマルチな才能を発揮している。
この作品でも、やり手の刑事という役柄で、一度観たら忘れられない風貌を活かし、存在感あり過ぎの強烈な印象を残している。

ブライアン・ブラウンは、オーストラリア出身の俳優で、この映画と続編で知られるが、トム・クルーズの「カクテル」シガニ―・ウェイバーの「愛は霧の彼方に」等にも出演していて、なかなか良い味を出している。(奥さんは、モデル上がりの美人女優レイチェル・ウォ―ドである。)

カーチェイスのシーンで、映画製作における特殊効果を駆使したさまざまなトリックで逃げ切るシーンなど、今迄にない斬新なアイデアで、とても面白い作品となっている。
大金を使わなくても、脚本の良さとアイデア次第で面白い作品が作れるという見本のような作品。

“毎日が映画日和” 80点

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眼下の敵「The Enemy Below」 [戦争映画の傑作!]

☆眼下の敵「The Enemy Below」
(1957年制作、ディック・パウエル監督、脚本:ウェンデル・メイズ、音楽:リー;ハーライン、撮影:ハロルド・ロッソン
ロバート・ミッチャム、クルト・ユルゲンス、ラッセル・コリンズ、アル・ヘディソン、セオドア・ピケル)
     
アメリカ軍の全面協力の下に製作された戦争映画の傑作である。
アメリカ軍の護衛駆逐艦と任務のため進路140にこだわるドイツ軍潜水艦Uボートとの一騎打ちをスリリングに描く。
新任の駆逐艦艦長マレル(ロバート・ミッチャム)とUボートの艦長シュトルベルク(クルト・ユルゲンス)とのお互いの力量を認め合う男の友情も描かれ、清々しい後味の名作となっている。

潜水艦と駆逐艦の息をのむ攻防が、一番の見どころだが、戦術の限りを尽くし駆逐艦から逃れようとする潜水艦、駆逐艦の機雷による波状攻撃を受け、極限状態の潜水艦の乗組員が、「デッサウ行進曲」を歌い志気を高める場面の昂揚感が素晴らしい。

機雷攻撃の場面やラスト近く艦上からの砲撃シーンも、アメリカ軍の協力による本物の迫力があり、海中の潜水艦を映し出す特殊撮影も、当時としては最高の技術を駆使したものだと思うが、なかなか良く出来ている。

原作では、イギリス軍の駆逐艦とUボートの戦いだが、映画ではアメリカ軍に変更されている。構成力と演出力が素晴らしく、上映時間も98分と適度な長さで、コンパクトにわかり易く整理された作品で、潜水艦映画の古典的名作と言っていいだろう。

俳優出身の監督ディック・パウエルの代表作である。歌手で俳優出身のディック・パウエルは、この後ロバート・ミッチャム主演で朝鮮戦争を舞台に空軍少佐の物語「追撃機:The Hunters」を監督している。

見所は沢山あるのだが、クライマックスは駆逐艦の攻撃で潜水艦艦上で動けないシュトルベルク艦長と腹心ハイニの2人を、マレル艦長が助ける場面だろう。互いの艦が損傷を受け、艦を去るという互いへの尊敬が交錯する名場面となっている。
副官ハイニを埋葬した後、進められた煙草を吸いながら交わす粋なセリフも、戦う男たちの清々しさを感じる素敵な場面となっている。

ドイツを代表する俳優だったクルト・ユルゲンスはこの作品の後、世界的に知られ悪役やドイツ軍将校役でハリウッドやヨーロッパ映画界で重用された名優である。「007私を愛したスパイ:The Spy Who Loved Me」の悪役カール・ストロンバーグ役でも世界を魅了した。

ロバート・ミッチャムは言うまでもなく、ハリウッドの大スター、悪役から文芸大作まで幅広い役柄をこなす名優である。この作品は、2人の代表作であり、映画史に残る傑作の1本でもある。

“毎日が映画日和” 100点(文句ない面白さに満点!!)


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ベラクルス「Vera Cruz」 [ロバート・アルドリッチの世界を楽しもう!]

☆ベラクルス(ロバート・アルドリッチ監督)「Vera Cruz」
(1954年制作、ロバート・アルドリッチ監督、脚本:ローランド・ギビー
ジェームズ・R・ウェブ、音楽:ヒューゴー・フリードホーファー、撮影:アーネスト・ラズロ
ゲイリー・クーパー、バート・ランカスター、デニーズ・ダーゼル、シーザー・ロメロ、アーネスト・ボーグナイン、チャールズ・ブロンソン、ジャック・イーラム、ヘンリー・ブランドン、ジョージ・マクレディ、モリス・アングラム)
    
お薦め傑作映画の1本!!
映画の舞台は、1866年フランス(帝国軍)VSアメリカ(革命軍)の代理戦争の時代、メキシコの金貨300万ドルを巡って繰り広げられる虚虚実々の駆け引き、ダイナミックなアクション、豪華スターの競演と見どころ満載の娯楽西部劇大作である。

ロバート・アルドリッチ監督の代表作で、ティオティワカンの遺跡でのロケ撮影されるなど、馬車が空を駈るように走る場面がこれでもかというほど出てくる。これぞ、アルドリッチタッチとも言える、ダイナミックな構図と演出を堪能出来る作品となっている。
アルドリッチ監督とバート・ランカスターは、3度コンビを組んでいるが、その中でもこの作品が最も面白い。

アーネスト・ボーグナイン、ジャック・イーラム、チャールズ・ブロンソンが、悪役ジョー・エリン(バート・ランカスター)の仲間として登場、特にチャールズ・ブロンソンは、メキシコ革命軍の女性に強引にキスしたり、ハーモニカを吹いたりと出演場面もセリフも多く、下積み時代を経てハリウッドで成功した苦労人3人の男臭い演技が見れる作品でもある。

ゲイリー・クーパーは、いわずと知れたアカデミー賞2度受賞の名優で、出演時は53歳、南軍で敗れた大佐という設定、ふるさとの復興のため金を手に入れようと傭兵となる役柄だが、最後はメキシコのため革命軍の味方となり、ジョーとの一騎打ちで勝利する。いわば善玉役で無難な演技を見せている。

他には、皇帝軍の公爵にシーザー・ロメロ、公爵夫人にデニーズ・ダ―セル、メキシコ革命軍の女性にサラ・モンティエルが扮し、映画を盛りあげる。
銃撃戦の迫力も文句なく、ガトリング銃で撃ちまくり、爆破シーンもふんだんに登場、革命軍のこれでもかという人海戦術なども見どころで、娯楽活劇映画の醍醐味満載である。

メキシコ中央銀行の金貨を、ベラクルスの港から船に積んで、ヨーロッパで傭兵を雇う費用として運ぼうとするのを、奪おうというジョーやベン(ゲーリー・クーパー)の一味、ラミレス将軍率いる革命軍との三者三様の駆け引きを94分という上映時間にまとめた傑作である。

メキシコらしい風情が満載で、構成、美術、装飾、衣装、音楽も見事でアルドリッチ監督の初期の大ヒット作品となった痛快な作品である。
アルドリッチ監督は、舞台劇なども監督し、野心的な作品にも取り組んだ監督で、名作・傑作を数多く残している。
「ロンゲスト・ヤード」「特攻大作戦」「飛べフェニックス!」「ふるえて眠れ」「燃える戦場」「北国の帝王」「合衆国最後の日」「ハッスル」「カリフォルニア・ドールズ」等々、必ずしもヒット作ばかりではないが、見応え十分の骨っぽい作品が多く、何れの作品も必見である。

“毎日が映画日和” 90点


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テン(ブレイク・エドワーズ監督)「10」 [コメディ映画の傑作!!]

☆テン「10」
(1979年制作、ブレイク・エドワーズ監督・脚本、音楽:ヘンリー・マンシーニ、撮影:フランク・スタンリー、
ダドリー・ムーア、ジュリー・アンドリュース、ボー・デレク、ロバート・ウェバー、サム・J・ジョーンズ、ディー・ウォレス、ブライアン・デネヒー)
   
ダドリー・ムーアの面白さに抱腹絶倒の作品で、ブレイク・エドワーズ監督の喜劇のセンスが活かされた傑作の1本である。
男の願望を満たす映画であり、特にメキシコのリゾート地で、水着のジェニファーが、波打ち際を走るシーンや、ウェーバーと激しく抱擁しキスするシーンは、男性の妄想の極みである。

アカデミー賞音楽賞を4度受賞、女優のサム(ジュリー・アンドリュース)が恋人で、満たされた生活を送っている音楽家のジョージ・ウェーバー(ダドリー・ムーア)が、車に乗っている花嫁姿のジェニファー(ボー・デレク)を見て一目ぼれ、彼女の魅力に溺れ、取りつかれ、様々なエピソードを巻き起こすロマンチック・コメディである。

ジェニファーの向かいに住むカップルとの覗き合いをアクセントにして、笑わせてくれる。ポルノまがいの絡み合いを見せてくれるカップルが可笑しい。
ヘンリー・マンシーニの奏でる美しくロマンチックな曲が、素晴らしいし、ジュリー・アンドリュースの澄んだ歌声を聞ける映画ともなっている。劇中演奏されるダドリー・ムーアのピアノ曲や憧れのジェニフーとベッドインの時に流されるボレロなど、演出だけでなく、音楽でもさまざまなバリエーションで、楽しませてくれる。

映画「殺しのテクニック」の渋い殺し屋を演じたロバート・ウェバーが、ダドリー・ムーアの仕事仲間で出演、ホモという設定に驚くが、、、、。
強面のブライアン・デネヒーが、メキシコのリゾート地のホテルのバーテンで出演、独特の風貌は一目で印象に残る。
「E・T」等の出演で知られるディー・ウォレスが、ホテルのバーで出会う女性に扮し、役柄の設定は子供3人を抱えた女性で何かに不満とストレスを抱えた女性を演じ、存在感を見せている。

ダドリー・ムーアは、ミュージシャン、コメディアン、そして俳優として活躍し、「ミスター・アーサー」「ミスター・アーサー2」のヒットで知られている。
この作品でも、エドワーズ監督の演出もあるのだが、絶妙の間、演技を披露している。自宅の坂道を転がり落ちるシーンや、歯医者で治療の後、酒を飲みふらふらになるシーンなど必見である。

ボー・デレクはこの作品でセックス・シンボルとなり、有名女優となるが、その後の出演作品では、ゴールデンラズベリー賞を3度受賞という名誉に輝いている、結局は“でくの坊”女優というレッテルを張られたということだろう。
しかし、この作品での、インパクトは強烈で、豊満すぎてアジア人向けではないが(そんなことはないという男性もいるだろうが)、世界中の男性が憧れたことだろう。

“毎日が映画日和” 80点



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スターゲイト「Stargate」 [近未来SFアクション!]

☆スターゲイト「Stargate」
(1994年制作、ローランド・エメリッヒ監督、脚本:ローランド・エメリッヒ、ディーン・デブリン、音楽:デヴィット・アーノルド、撮影:カール・W・リンデンローブ
カート・ラッセル、ジェームズ・スペイダー、ヴィヴェカ・リンドフォース
ミリ・アヴィダル、ジェイ・デヴィドソン、エリック・アヴァリ)
   
今やデザスター映画の巨匠と呼ばれるメガヒット連発のローランド・エメリッヒが、「ランボー」シリーズ、「氷の微笑」等で知られる世界的なプロデューサー、マリオ・カサールの下ハリウッドデビュー作「ユニバーサル・ソルジャー:Universal Soldier」の成功で信頼を得て、監督したSF作品である。

この作品も大ヒットを記録し、1997年からテレビドラマ化され、2007年まで続くヒットとなった。映画はスピンオフ作品も2作制作されている。

冒頭1928年エジプトでの発掘現場で、ラングフォード教授率いる調査隊が謎の大きな輪を発見したところから、“現在”に舞台を移し、アメリカ空軍基地で、謎の輪を発見したラングフォード博士の娘キャサリンを中心に、66年間密かに研究がつづけられていたという設定。
異端児扱いの学者ダニエル(ジェームズ・スペイダー)が、謎の輪に描かれた文字を解読したことで、巨大な輪の謎が解け“スターゲイト”を通り異空間へ旅立つというストーリーとなっている。

隊長は、オニール大佐(カート・ラッセル)で、探索隊はゲートの向うへ辿り着くのだが、そこはかつて古代エジプトに文明を与えた異星人ラーが支配する惑星で、エジプトから連れてこられた砂漠の民が、奴隷として働かされていた。
探索隊部族の長カザフのもてなしで、娘や息子と仲良くなりやがて、ラーとの戦いへと突入していくSF巨編である。

意外な面白さが、ぎっしり詰まっており退屈しない作品となっていて、物語のオリジナル性が抜群である。エジプトの文明は、異星人が伝えたものという土台を基にストーリーは組立てられていて、異星空間を移動する宇宙人ラーとその部下の人員の少なさが気になったが、傷を癒し生物を再生させたり、小型の宇宙船が空中を飛び交いながら攻撃をするシーン等、楽しい場面が沢山見られる。

ローランド・エメリッヒ監督の20年以上前の作品だが、今製作したら、現在の技術を駆使し、VFX効果や撮影現場でのSFX等によって、よりスケールアップした作品に仕上げた事だろう。

物語は後半、地球へ帰還できるかどうかという展開になって行くが、戦いの最後は、ラー一族が乗船したピラミッド型UFOが、地球から持ち込んだ爆弾によって爆破され、オニール大佐と部下は、無事地球へ帰還する、ただ一人ダニエルは、そのまま留まることになるというストーリーで、是非続編を製作してほしい。

ダニエルを訪ねるというストーリーを中心に、製作は十分可能と思われる。
来年大ヒット作「インデペンデンス・ディ」の続編を20年ぶりに公開予定のローランド・エメリッヒ監督なので、充分続編のチャンスはあると思うのだが、、、、。

ローランド・エメリッヒ監督作品は、賛否両論あるものが多いのだが、メガヒット作品揃いの監督で、映画会社と製作者には大変ありがたい監督である。
「インデペンス・ディ」「GODZILLA」「ディ・アフター・トュモロー」「紀元前1万年」「2012」等作品の出来はともかくも、大ヒット作品ばかりである。

“毎日が映画日和”80点

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