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駅馬車(ジョン・フォード監督)「Stagecoach」 [ジョン・フォード監督の名作]

☆駅馬車(ジョン・フォード監督)「Stagecoach」
(1939年制作、ジョン・フォード監督、脚本:ダドリー・ニコルズ、音楽:ボリス・モロース、撮影:バート・グレノン、レイ・ビンガー
ジョン・ウェイン、クレア・トレヴァー、トーマス・ミッチェル、ジョージ・バンクロフト、ジョン・キャラダイン、ルイース・ブラット、アンディ・ディバイン、ドナルド・ミーク)
   
西部劇のエッセンスを全て詰め込んだ傑作中の傑作。
職業差別、人種差別等の要素も取り入れたヒューマンなストーリーは、その後の西部劇に多大なる影響を与え、ジョン・フォード監督の代表作であり、ジョン・ウェインが大スターとなるきっかけとなった作品である。

タイトルロールから、騎兵隊、インディアンが登場、画面の音楽がそれぞれの曲調に変わる見事なスタートからして、これからの展開に期待を抱かせる。
駅馬車が到着する西部の町のセットもスケールが大きく、スタッフがしっかりと仕事をしていることが、良くわかる。

飲んべいのドク(トーマス・ミッチェル)ブーンやダンディーなギャンブラー、ハット・フィールド(ジョン・キャラダイン)、娼婦のダラス(クレア・トレヴァー)、人のよさそうな酒のセールスマンピーコック(ドナルド・ミーク)、騎兵隊の夫に会いに来た妊娠中のルーシー(ルイーズ・フラット)、5万ドルを横領した銀行家ゲートウッド(バートン・チャーチル)達が、トントという町から駅馬車でローズバーグへ向かう。

御者は、バック(アンディ・ディバイン)、同行する保安官は、ウィルコック(ジョージ・バンクロフト)、そして途中から駅馬車に乗りこむリンゴ・キッド(ジョン・ウェイン)等個性豊かな俳優陣が、表情も豊かに名演技をみせ、ジェロニモ率いるアパッチとの戦い、リンゴの父と弟の仇プラマー兄弟とリンゴの決闘とクライマックスへ進んでいく。

インディアンとの戦いは、迫力満点で、どのように撮影したのかというぐらい凄い撮影で、ダイナミックでスピーディーな激しいアクションシーンは、今もって、この作品を超える映画は出てこないと言っても過言ではない。
本物の迫力は、76年経た今見ても素晴らしいの一言に尽きる。

トントの街から追い出される飲んだくれのドク、娼婦ダラスへの偏見は、今でもあることで、そんな2人に優しく声を掛けるのは、お訪ね物のリンゴ・キッドだった。ダラスへの思いを告白、ダラスは戸惑いながらもその愛を受け入れたいのだが、迷いも有り踏ん切りがつかないという葛藤や、99分という上映時間の中に、賭博師ハットフィールドの大尉夫人ルーシーへのダンディズム(無償の奉仕)、ルーシーへのダラスの女としての優しい思いやり、保安官とドクのリンゴへの優しさ等さまざまなエピソードを手際よく織り込み、見応え十分である。

モニュメント・バレーの景観の中で展開されるアパッチとの戦いは、究極の撮影場面で、馬車の先頭に乗り移るシーン、乗り移ったインディアンが、リンゴに撃たれ地面に落ち、馬車の下になる場面など、よく怪我をしなかったと感心するばかり。
見ていて楽しい作品の枠を超え、古典的名作というよりは、映画史の中で燦然と輝く傑作である。
アカデミー賞では、「風と共に去りぬ;Gone With the Wind;39」に阻まれ、作品賞、監督賞などは受賞とならなかったが、助演男優賞(トーマス・ミッチェル)作曲賞・編曲賞(リチャード・ヘイグマン、フランク・ハーリング、ジョン・レイボルド、レオ・シューケン)の2部門を受賞している。

”毎日が映画日和“ 100点(文句ない傑作で満点!)

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